2023年5月28日
西村経済産業大臣は、アメリカ合衆国デトロイトに出張し、5月25日及び26日に開催されたAPEC貿易担当大臣会合へ出席、5月27日はIPEF閣僚会合に出席いたしました。
また、各エコノミーの代表及び関係者と会合の成功に向けた協力や、二国間経済関係について意見交換を行いました。
1.APEC貿易担当大臣会合
今年のAPEC議長エコノミーである米国のキャサリン・タイ通商代表議長のもと、APEC貿易担当大臣会合がデトロイトで開催されました。経済産業省からは西村経済産業大臣が参加しました(外務省からは、山田外務副大臣が参加)。
会議では、「多角的貿易体制の支持」や「持続可能で包摂的な貿易の促進」といったテーマを中心に精力的な議論を行いました。
西村経済産業大臣の主な発言の要旨は以下のとおりです。- ルールに基づく多角的貿易体制が重要であり、MC13に向け、WTO改革、特に紛争解決機能の回復、電子商取引に係るプルリの交渉の今年末までの実質的妥結、電子的送信に対する関税不賦課モラトリアムへの合意が必要。
- また、アジア太平洋地域における自由で公正な経済秩序の構築が不可欠であり、経済的威圧の是正と公平な競争条件の確保を進める必要。
- 持続可能な成長のためのBCG経済の実現が重要であり、各エコノミーの事情にあった多様な道筋でエネルギー・トランジションを進める必要。イノベーションで社会課題を解決するスタートアップの存在も重要。
- 近年のサプライチェーンの途絶の影響を最小限にするためにも、「信頼性」のあるサプライチェーンの確保を新興・途上国エコノミーと取り組みたい。
- 持続可能な成長には、ビジネスの高度化が重要であり、そのためにも、「DFFT」の推進、WTO電子商取引交渉をはじめとするデジタル経済に関する新たな国際ルール作り、貿易プラットフォーム同士の連携が必要。
議長声明の発出についてはこちらをご覧ください。
2.IPEF閣僚会合
5月27日、IPEF閣僚会合がデトロイトで開催されました。経済産業省からは西村経済産業大臣が参加しました(外務省からは、山田外務副大臣が参加)。
同会合では、「IPEFサプライチェーン協定」の実質妥結に至りました。また、貿易分野、クリーン経済分野、公正な経済分野についても進捗を確認し、早期の合意に向け交渉を加速させることに合意しました。こうした点を盛り込んだプレスリリースが発表されました。
合わせて、日本とシンガポールがリードする形で、「水素イニシアティブ」の立ち上げについても合意しました。
西村大臣より、信頼できるパートナー国間でサプライチェーン強靭化に向けた具体的な取組を進める意義を強調し、また、水素イニシアティブを通じて、未来志向で新たな分野の協力を進め、地域大でシームレスな利用環境を整備するべく、具体的な協力を進めていくことを関係各国に発信しました。また、「Japan Week」として、サプライチェーンを強靭化に向けて、IPEFメンバー国の交渉官等を日本に招聘する研修を実施する旨を表明しました。
3.二国間会談等
各エコノミーの代表及び関係者と会合の成功に向けた協力や、二国間経済関係について意見交換を行いました。(1)ニュージーランド ダミエン・オコナー貿易・輸出振興大臣との会談
戦略的協力パートナーである両国関係を踏まえつつ、IPEFやCPTPP等の通商分野での協力の在り方について意見交換しました。
(2)ペルー フアン・カルロス・マティウス・サラサル通商観光大臣との会談
会談では、日本とペルー共和国は、自由、人権、民主主義、法の支配等の基本的価値を共有する重要パートナーであることを確認しました。また、本年が日ペルー外交樹立150周年という節目であり、これを機に更なる二国間経済関係の強化について意見を交わしました。
(3)オーストラリア ドン・ファレル貿易・観光大臣との会談
「特別な戦略的パートナー」である豪州と、経済的威圧等への対応等について認識を共有しつつ、IPEF、WTO、CPTPP及び資源・エネルギー分野での協力等における日豪連携の重要性を相互に確認しました。
(4)インドネシア ズルキフリ・ハサン商業大臣との会談
日ASEAN友好協力50周年を迎える年にASEAN議長国を務めるインドネシアの経済閣僚と、日ASEANの連携の方向性や、RCEPの透明な形での完全な履行をはじめとした通商政策、インドネシアにおける事業環境の整備などについて意見交換を行いました。
(5)パプアニューギニア リチャード・マル国際貿易大臣との会談
島嶼国との今後の連携のあり方等について議論し、両国の経済関係をより一層深化させていくことを確認しました。
(6)ベトナム グェン・ホン・ジエン商工大臣との会談
日ベトナム外交関係樹立50周年を迎える年にベトナムの経済閣僚と、IPEFやCPTPP、RCEPでの連携強化について一致したほか、二国間における幅広い政策について引き続き連携していくことを確認しました。
(7)中国 王文濤商務部長との会談
西村大臣からは、日中間の経済面での協力を進めるためにもビジネスに関わる企業関係者の安全確保や透明で公平なビジネス環境を確保することが重要である旨発言し、中国で拘束された邦人の早期解放や国産品優遇策の是正などを求めました。また、日本産食品輸入規制の早期撤廃を求めました。また、両大臣は、今後も緊密に意思疎通を重ねていくことで一致しました。
(8)カナダ メアリー・イン国際貿易・輸出促進・小規模ビジネス・経済開発担当大臣との会談
共通の価値観を有するインド太平洋地域のパートナーであるカナダと、WTOやCPTPP等の通商分野における協力を確認し、バッテリーサプライチェーンや先端産業技術分野における二国間協力の加速化・具体化に向けて議論を行いました。
(9)アメリカ合衆国 ジーナ・レモンド商務長官との会談
日米商務・産業パートナーシップ(JUCIP)の第二回閣僚会合を開催し、共同声明を発出しました。また、IPEFについて、サプライチェーン分野を中心に緊密に連携して取り組むことを確認しました。※JUCIPについて詳しくはこちらをご覧ください。
(10)シンガポール ガン・キムヨン貿易産業大臣との会談
地域統合において緊密な連携を進めているシンガポールと、IPEF、CPTPP、RCEP等の通商分野、スタートアップ分野等における協力を確認するとともに、エネルギー分野における具体的な連携に向けて議論を行いました。
(11)米国 ジェイソン・スミス連邦議会下院歳入委員長との会談
米国議会下院で通商を担当するスミス委員長と通商政策やサプライチェーン強靱化について意見交換を行いました。
(12)インドネシア アイルランガ・ハルタルト経済担当調整大臣、アグス・グミワン・カルタサスミタ工業大臣との会談
日ASEAN友好協力50周年を迎える特別な年にASEAN議長国を務めるインドネシアの経済閣僚と、この地域の新たな経済枠組みであるIPEFについて連携を確認するとともに、これからの日ASEANの経済関係の深化に向けた協力について意見を交わしました。
担当
- 通商政策局アジア太平洋地域協力推進室長 新倉
担当者: 桂
電話:03-3501-1511(内線 3061~65)
メール:bzl-apec-shitsu★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。 - 通商政策局経済連携課 福永
担当者: 小野澤
電話:03-3501-1511(内線 2981~84)
メール:bzl-keizairenkeika.16★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。
からの記事と詳細 ( 西村経済産業大臣が米国デトロイトへ出張しました (METI - 経済産業省 )
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