後を継いだ経営者がやるべきこと、やるべきではないこと
後を継いだオーナー経営者に、自身の経験から得た「後を継いだ経営者がやるべきこと、やるべきではないこと」を語ってもらう連載。今回は静岡県沼津市・スエヒロ工業の櫻井弘紀社長。
スエヒロ工業は静岡、神奈川、東京で防水・塗装など建物の外装工事を主に手がけています。創業したのは先代社長である父です。子供の頃、学校から帰って事務所に行くと、仕事が終わって現場から戻った職人さんたちとよく車座になって談笑する父の姿がありました。
22歳でスエヒロ工業に入社し、施工管理を担当しました。その頃、既に父は体調を崩しており、1年後に亡くなりました。何の準備もできていないまま、23歳で会社を継ぐことになりました。
親分肌だった先代を慕う人が多数、会社に残ってくれました。みな自分に仕事を教えてくれた先輩です。この人たちをどう守っていくかと考えたとき、「先代のようにやっていくことは無理」と開き直りました。社員や協力会社の親方さんたちと1人ずつ面談し、「これまでは先代という『親』がいたけれど、今は『子供』だけになりました。僕もその1人ですが、横一線の子供の中で『長男』としての役割を務めます。どうでしょう」と話すとほとんどの人が賛同してくれました。
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