SaaSビジネスの要諦を聞いた。
倉林 陽(くらばやし・あきら)/DNX Ventures マネージング パートナー/日本責任者。三井物産やセールスフォースでベンチャー投資や事業開発に従事。2015年に参画。20年から現職。マネーフォワードの社外取締役(撮影:今井康一)
ビジネスモデルを紹介する本や記事は数あれど、体系的に分析した事例はほとんどない。
成長が続く、ソフトウェア業界の中でも注目されているのがSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)のビジネスモデルだ。何がよいのか、SaaSに特化したベンチャーキャピタル、DNXベンチャーズの日本代表を務める倉林陽氏に聞いた。
──SaaSの特長は何ですか?
SaaSのビジネスモデルのよさは、企業価値を増やすという観点で非常にわかりやすいし、よく考えられている点にある。
まずソフトウェアはカスタマイズをせず、同じものをたくさんの顧客に売っている。顧客が増えればサーバーとカスタマーサクセスの費用が増えるが、それ以外はあまり増えない。そのため、グロスマージン(粗利率)が7~8割と一般の会社より高いことが重要だ。
SaaSビジネスが魅力的な理由
もう1つは、業界の指標であるARR(編集部注:1カ月の収入を12倍にして年換算したもの。成長率を測る指標として使われる)が今年よりも、来年のほうが大きいということが大事だ。
コーポレートファイナンスの理論では、「企業の価値は将来のフリーキャッシュフローの現在価値」と教えている。そのため、粗利率が高いSaaSのモデルは、わかりやすくいえば、ARRと利益がほぼ一緒、つまりARRとフリーキャッシュフローがほぼ一緒だと考えればよい。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
からの記事と詳細 ( 倉林陽「解約率が高い会社は絶対に成功しない」 - 東洋経済オンライン )
https://ift.tt/CNndBKE
No comments:
Post a Comment