電気を盗んで得た不法収益で新電力会社を乗っ取ったとして、警視庁犯罪収益対策課は17日、組織犯罪処罰法違反(不法収益による事業支配)の疑いで、電力小売会社「I・T・S」役員で中国籍の湯暁懿(タン・シャオイー)容疑者(43)=埼玉県川口市=を再逮捕した。課によると、既存企業の乗っ取りで同法を適用したのは全国初。
湯容疑者は、他人名義のクレジットカード情報を使って電力会社と契約し、自分の顧客の中華料理店などに送電させる手口で、約11億7400万円を得たとして、詐欺や窃盗罪、同法違反(犯罪収益仮装)で起訴されている。
再逮捕容疑では2020年2~4月、不法収益から450万円を使い、当時浜松市にあった新電力会社「第一日本電力」の全株式を配下の男に取得させ、この男を同社代表取締役に選任させたとされる。
課によると、国登録の小売電気事業者だった第一日本電力を子会社化することで、自身の会社が正規の事業をしているように装う狙いがあったとみられる。
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