活動休止中の嵐が10日、新会社「STARTO ENTERTAINMENT」(旧ジャニーズ事務所)の公式サイト内でメンバー5人による新会社を設立したことを発表した。5人のメッセージには「未来を描くための準備」とあり、ライブなど再起動への布石とみられる。社名は「株式会社嵐」で代表取締役は弁護士で、映画製作会社「スターサンズ」の四宮隆史氏が務めることが明らかになった。
1999年に結成した嵐は、この日午前0時に本格稼働した同サイトにて、「この度、我々嵐は5人で会社の設立を致しましたこと、ご報告申し上げます」とつづり、末尾には相葉雅紀(41)、櫻井翔(42)、松本潤(40)、そして20年のグループ活動休止をもって芸能活動を休止中の大野智(43)、昨年10月に独立した二宮和也(40)とメンバー全員の連名が記された。
活動休止から約3年半たったが、約300万人のファンクラブ会員を中心に今も活動再開を待ち望まれる国民的グループ。今年11月に迎えるデビュー25周年に向け、「活動再開」などの動向が注目されてきたが、「これまで以上に主体性をもち、これまで以上に主体的に判断をし、これまで以上に主体的に行動したい。そして何よりも、日々応援して下さるファンの皆さまに、より近くに感じてもらいたい」と言及。さらに、「より積極的でありたい。そんな想(おも)いから5人で何度も何度も話し合い、会社を設立致しました」と大野も含めた5人での活動再開を示唆した。社名はスポーツ報知の取材で「株式会社嵐」と判明。四宮社長はこの日、「活動再開の時期は決まっていません。タイミングが来たら、メンバーから発表すると思います」と語った。
活動休止以降もメンバーの絆は不変だった。ことあるごとにメンバー同士で食事を重ね、テレビ番組などでも共演した。21年9月には相葉と櫻井が結婚を同時発表。同11月に公開したライブ映画「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」の舞台あいさつでは、大野を除いた4人が登壇。今年1月には、5人連名で能登半島地震の被災地に義援金を送った。
昨秋に「STARTO―」が設立した際には、櫻井は「嵐のメンバー5人そろって説明を受けました」とし、二宮は1月のスポーツ報知インタビューで「(メンバーと)能動的に集まるようになってきて。今までは『あの頃、楽しかったよね』と懐古メインの話題が多かったけど、今は『自分たちには、今何ができるのか』という現在進行形の会話に変化している」と明かしていた。
自らの会社を設立した一方で、ジャニーズ時代から四半世紀歩んだ軌跡は変わらない。「我々5人だけで出来ることには限界もあります。これまで共に歩んできたスタッフの力も時に借りながら、未来を描くための準備を進めていけたらと思います」。独立せずに、本格稼働した新会社と共に歩む姿勢も、嵐らしい。ファンクラブ会員へメールが送信された時間は、午前5時5分。5人の絆そのままに、ついに「嵐」が動き出す。(田中 雄己)
◆ニノが語った再開へのリアリティー
二宮は、スポーツ報知で今年1月22~24日に3日連続掲載されたインタビューで、「嵐」の活動に対する思いについて、ジャニー喜多川氏の性加害問題をきっかけに「『嵐』を見直すきっかけになったことは事実」と語っていた。
二宮の独立や新会社「STARTO―」の本格始動を前に、メンバー5人で話し合う機会が増えたことを告白。その中身を「事務所に守ってきてもらった20年でしたけど、これからは自分たちで守っていかないといけない。『自分たちには、今何ができるのか』という現在進行形の会話に変化している」と明かした。
さらに、グループ活動の“再開”を「皆で会っている時もそのワードは、誰も口に出さないんですよね。誰かが『再開』と言った瞬間に、空気は変わる。だからこそ(再開への)リアリティーを持てている」と慎重に言葉を選びながらも、5人の「嵐」に対する思いの強さをのぞかせていた。
◆嵐の歩み
▼1999年9月 米ハワイのクルーズ船で会見し、デビュー発表
▼同11月3日 シングル「A・RA・SHI」でCDデビュー。累計売り上げは97.3万枚
▼2001年 初の冠番組「真夜中の嵐」が日テレ系で放送開始
▼04年 日本テレビ系「24時間テレビ」で初メインパーソナリティー
▼06年 初のアジアツアー開催
▼07年 初の東京ドームコンサート開催
▼08年4月 TBS系「ひみつの嵐ちゃん!」フジテレビ系「VS嵐」など冠番組が相次いで放送開始
▼同9月 国立競技場ライブを初開催し、2日間で14万人を動員
▼09年 デビュー10周年記念ツアー開催。当時史上初の国立競技場3日間連続公演で計21万人動員。500トンの噴水、5万個の風船、500発の花火を使用
▼同年 ベストアルバム「5×10 All the BEST! 1999―2009」初ミリオンセラー。累計売り上げ198.9万枚を記録
▼同12月 「NHK紅白歌合戦」に初出場
▼10年 自身の記録更新となる国立競技場4日間連続公演で計28万人動員。水600トン、高さ15メートルの滝など過去最大規模の演出
▼同年 「―紅白歌合戦」で初司会
▼14年 「―紅白歌合戦」で5年連続司会&白組トリ
▼16年 「―紅白歌合戦」で初の大トリを務める
▼18年 第100回全国高等学校野球選手権記念大会の応援ソング「夏疾風」を担当
▼19年1月27日 20年末をもって活動休止と発表。メンバーは都内で記者会見
▼同11月 天皇陛下即位の祝典で奉祝曲を披露
▼同12月 デビュー20周年記念で、日本の音楽史上最多237.5万人を動員したドーム全50公演ツアーを成功
▼20年 新型コロナウイルスの影響で国立競技場公演や中国での海外公演中止を発表
▼同8月 シングル「カイト」がシングル初のミリオンセラー。累計売り上げ114万枚を記録
▼同12月 「―紅白歌合戦」で休止前ラスト歌唱。歌手別で最高視聴率47.2%を記録
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