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Monday, June 10, 2024

「選ばれる」会社の真・人的資本経営 - 日経BP

人的資本に関する情報開示が広がっているが、まずは人材戦略や施策を抜本的に改革する必要がある。社員が働きがいや成長を実感できる環境を整え、挑戦を促しながらパフォーマンスを引き出すことが肝要だ。

 6月は、有価証券報告書の提出がピークを迎える。2023年3月期から有報での開示を義務付けられた人的資本は、企業価値の源泉であり、将来の成長性を見極める重要な情報として機関投資家も高い関心を寄せる。投資家やESG評価機関の声を聞こうと、「ヒューマン・キャピタル・リポート(人的資本報告書)」を発行する企業も登場してきた。

人事担当の半数「人事制度の改革必要」

 企業が持続的成長を実現するためには人材にしっかり投資して能力を引き出さなければならない。ただし、従来の人事施策を抜本的に変える必要がある。リクルートが24年4月に公表した調査によると、企業の人事担当者の約半数が、採用から賃金・報酬制度まで、従来のやり方を見直す必要があると答えている。

 多くの企業が今、多様な社員を生かして企業価値を向上させようと人的資本経営に取り組んでいる。ガイドラインとして活用されている「人材版伊藤レポート」には、人材戦略に求められる視点や要素が示されている。実践するには自社の状況に応じて工夫する必要がある。

 人材活用で定評がある先進企業の取り組みを見ると、独自の制度や仕掛けがある。例えば、サイボウズの「サイボウズオブザイヤー」やエーザイの「Project Aka-Chochin(プロジェクトアカチョウチン)」、花王の「対話フェス」──などである。ネーミングもユニークなこれらの施策によって、各社は人材の価値を高め、組織のパフォーマンス向上に結び付けている。

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サイボウズの「サイボウズオブザイヤー」
(写真:サイボウズ)

 人手不足が深刻化し、人材獲得競争は激しくなる一方である。優秀な人材を引き付ける「選ばれる」企業になるためには、人材戦略や施策の改革を加速させなければならない。

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写真:picture cells/stock.adobe.com

写真:picture cells/stock.adobe.com

 6月8日発行の『日経ESG』の最新号(2024年7月号)では、人的資本経営を実践するポイントをまとめた特集記事『サイボウズ、エーザイ、花王、メルカリ、日立、日清食品 若手からシニアまで最大活用 「選ばれる」会社の真・人的資本経営』を掲載しています。

 サイボウズ、エーザイ、花王、メルカリ、日立製作所、日清食品ホールディングス──人的資本経営に先進的に取り組む6社の事例を紹介しています。さらに、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の分野で、女性活躍と並ぶ日本企業の重要課題となっているシニアの活用法について、専門家による解説記事をお読みいただけます。

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