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Friday, February 28, 2020

感染拡大で通勤ラッシュが悪化する可能性 鉄道会社の対策 - ITmedia

 中国・武漢市発の新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の影響で、人が多く集まるイベントの自粛要請に続き、全国の小中学校や高校の臨時休校まで取り沙汰されています。今のところ電車は平常通りに運行していますが、さらに感染が拡大した場合には運行本数が減るかもしれません。

画像はイメージ

連載:非テツでも楽しめる、テツ好きが注目するチマタの話題

ここでは鉄道に関するちょっとした豆知識をお伝えすることで、何となく知識が増えたなとか、みんなが知らないことが自慢できたりとか、まあそんなことを目指してお届けしていく、テツの与太話です(作倉瑞歩)


 現在、鉄道各社は新型コロナウイルス対策として、以下のような内容を推奨しています。これらは、すでに一般的に言われている対策と同じ内容です。

  • 感染防止のためにマスクを着用
  • せきエチケットに気を付ける
  • 手洗いやアルコール消毒を行う
  • ラッシュ時間帯を避けるオフピーク通勤をするか、テレワークを依頼

 一方で興味深い資料を見つけました。国土交通省が2014年にまとめた「公共交通機関における新型インフルエンザ等対策に関する調査研究」です。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)、2012年のMERS(中東呼吸器症候群)の後、次に新型インフルエンザなどの感染症が流行したときに公共交通機関がどう対応するべきかを検討、まとめたものです。

 文書の想定は「致命率 0.5〜2%」です。新型コロナウイルスの中国での致命率が2.2〜2.3%であるため、この対策が現実味を帯びてきます。

 文書の中には手洗いやマスクによるせきエチケットの推奨などに加え、駅や車内など特定の場所で感染が認められた場合は「駅施設や車両を消毒する」としています。ただ、同時に「人の手を介した接触感染をどの程度予防できるかについての効果は不明」とも書かれています。

感染拡大で通勤電車が減る

 新型インフルエンザなどが大流行した場合、鉄道事業に従事している人たちも勤務できなくなる可能性があります。そのとき鉄道事業者はどうするのでしょうか。

 資料内のアンケートによると、「朝ラッシュ時の運行本数を通常時の2〜5割程度に抑える運行計画を検討している」というケースが多いようです。相互直通運転(他社乗り入れ)については、その事業者間での協議により決定するとしています。

新型インフルエンザなどが大流行して人手不足なったとき、「朝ラッシュ時の運行本数を通常時の2〜5割程度に抑える運行計画を検討している」という会社が多い

 では、ダイヤを通常のものから臨時ダイヤに変更する時期はどう判断するのでしょうか。

 資料には「発生段階が国内発生早期に移行した場合」「社員の欠勤者数が増大する恐れがある場合」と回答している鉄道事業者が多いようです。現在の新型コロナウイルス感染症がどの段階にきているのかは分かりませんが、通常ダイヤで運行されていることを考えると、そこまで深刻な事態には至ってないのでしょう。

感染拡大時の運行ダイヤ判断基準
平日ダイヤを維持可能な乗務員の欠勤数。1割の乗務員が欠勤すると半数以上の鉄道が平日ダイヤを維持できなくなります

臨時ダイヤは大混雑の可能性

 この資料では、感染が拡大して臨時ダイヤとなった場合のシミュレーションも行っています。郊外から都市部に向かう列車を想定し、駅間移動人数が平時の6割程度と仮定した上で交通量を算出。混雑率を計算します。また混雑率が250%を超えないよう、乗り切れない旅客は積み残し人数として、次の時間帯の移動人数に計上するという方法です。

 この結果を見ると、平日の朝7時台にはすでに250%に達し、その後250%に達する駅が広がっていきます。本数の少ない臨時ダイヤではかなりの混乱が予想されることが分かります。

校外から都市部へ向かう電車の混雑率シミュレーション。250%を超える時間帯が赤くなっています

 乗車率250%がどのような状況かというと、電車が揺れるたびに体が斜めになって身動きがとれず、手も動かせない状態です。感染を広げてしまう可能性は高いと思います。

乗車率による混雑具合。出典は国土交通省「三大都市圏の主要区間の平均混雑率の推移」

 この他、駅での積み残し人数が1000人を超える駅が多数発生し、最大で約8300人になります。

積み残し人数

 これを防ぐ方法として、この資料では「利用者を平時の4割程度まで抑制する必要がある」と指摘しています。シミュレーションは6割だったので、さらに2割の人たちが通勤や通学を「しない」選択ができなければなりません。

 資料は6年前のものですが、今この時期に読むと、かなりセンセーショナルな内容でした。幸いにも現在はこの段階には至っていませんが、世界的に感染が広がっていることを考えると、こうした状況になる可能性もあると承知しておくべきでしょう。

 鉄道の運行に支障が出ていない今のうちに、鉄道を「利用しなければならない人」を減らしておく必要があります。テレワークの推進やイベントの自粛要請、そして休校といった最近の動きには、こうした想定も影響しているのかもしれません。

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February 29, 2020 at 05:15AM
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