
会社は生き物だ
会社(企業)は「法人」とも呼ばれる。もちろん会社は120%、人間ではないが、法律制度によって「人とみなし、人と同じ権利義務を持つ」ということである。 【写真】コロナ危機で、じつは日本が「世界で一人勝ち」する時代がきそうなワケ 例えば、工場設備や店舗は「物」なので、それ自体が契約を結ぶことはできない。しかし、それらを所有する企業(法人)が、まるで人間のように「法人契約」を行うことができる。 だから、会社に投資をすると言うことは、工場や店舗(あるいはそれらの立地する土地)などの「物」ではなく、「人に似た生き物=法人」に投資をするのである。 例えば、金(ゴールド)は、グラムやオンス単位で計量できる。無重力の宇宙空間にでも行かない限り、誰がはかっても同じだ。また土地は、公的な図面と実測が異なることがしばしばあるが単に図面や計測が不正確なだけで、きちんとはかれば誰がやっても同じだ。 ところが、企業の場合は、そもそも決算の数字すらあいまいだ。もちろん、公表される決算の数字は1つであるが、誰がやっても同じになるわけではない。 経営の神様と言われるピーター・F・ドラッカーは、「新入社員が1年も会計の勉強をすれば、『合法的に』決算内容を思い通りにできる」と述べている。特に「減価償却」についてはドラッカーだけではなく、投資の神様ウォーレン・E・バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムもその著書「証券分析」で欺瞞性を詳しく論じている。 人間と言うのは細かな数字を見せられると、それが正しいかのように思ってしまうが、企業決算の数字は金の重さや土地の面積のように正確なものではない。 だから、過度に重視してはいけないし、バフェットが単純な決算数字ではなく、生き物としての会社=法人の価値を織り込んだ「本質的価値」を重視していることは、3月25日の記事「『コロナほどの大暴落も悠然と構えればよし』バフェット流投資の秘訣」で述べたとおりだ。
入社面接と同じように企業を評価する
「物」ではなく「生き物」として、投資先の企業を選択するときに私がイメージするのは「入社面接」である。 最近は、新型肺炎感染拡大の影響でZOOM面接なども行われているようだが、いずれにせよ、履歴書や職務経歴書のような「文字の羅列」ではなく、実際に会話をしてみてその人物の人となりを知らなければ、採用の可否の判断は難しいであろう。 そもそも、東京都知事の「大学卒業の真偽」が大きな話題になっているくらいだ。卒業証書の提出を求めることはあまり無いし、ましてや真偽の鑑定などまず行わない。 また、職歴にある過去の勤務先企業に問い合わせをしても、通り一遍の返事しかもらえないことが普通だ。もしその応募者が問題を起こしていても、大概はその企業の恥にもなるので触れたがらない。 面接で応募者のどの部分をどのように評価するのかは、人によってかなり違う。ある程度のマニュアル化はできるかもしれないが、コンピュータソフトを作成してAIに任せるなどと言うことはできないであろう。万が一それができたとしたら人間の存在価値は消滅してしまうかもしれない……。 「バフェットからの手紙」では、「本質的価値」の評価において、バフェットと盟友(バークシャーの副会長)であるチャーリー・マンガーの見解が一致しないことがしばしば語られる。 面接官の応募者に対する評価が、大筋で合意することはあっても完全に一致することが無いように、人に擬せられた法人においても、その評価は千差万別である。 したがって、企業への投資への成功は「人を見る目」ならぬ「企業を見る目」があるかどうかにかかっている。 履歴書や職務経歴書の学歴や職歴にしか注目しない面接官が優秀な人材を採用できないように、決算書の数字や統計データにしか注目しない証券アナリストや投資家は成功できない。 それではバフェットは、その「企業を見る目」を養うためにどうしているのか? 主な手法としては、 1.大量の読書 2.企業情報の徹底的分析 3.業界全体の考察 4.口コミを集める 5.自分で体験する などがあげられる。
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June 14, 2020 at 08:01AM
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