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2020年8月16日、スペインのサーキット・デ・バルセロナ・カタルーニャで行われたF1世界選手権第6戦スペインGP。前戦の70周年記念GPでタイヤに苦しみ、マックス・フェルスタッペンに勝利を奪われたルイス・ハミルトンが反撃に転じ、完璧なタイヤマネジメントで勝利した。
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メルセデスつぶし? 予選モード禁止へ
F1のルールをつかさどるFIA(国際自動車連盟)が、パワーユニットの予選モードを事実上禁止する方向で調整に入っていることが分かった。早ければ8月末の第7戦ベルギーGPから、レギュレーション変更ではなく技術指令書というかたちで詳細が伝達され、施行されるとみられている。
“パーティーモード”とも呼ばれる予選モードは、その名の通り、主に予選での一発の速さのためにエンジン、ハイブリッドシステムをパワー重視のセッティングに切り替える仕組み。パワーユニットの信頼性が損なわれる可能性もあるため、頻繁な使用は控えられているというのが実情である。
予選モードの禁止で一番の影響を受けるといわれているのはメルセデスだ。2014年から始まった1.6リッターターボハイブリッド規定の7年目、前戦の70周年記念GPまでの計126戦で実に99回ものポールポジションを獲得している本家メルセデスはもちろん、今季好調のレーシングポイントも、もっぱらこのモードのおかげで予選になればすこぶる速いというのが大方の見方なのだ。
ホンダ、ルノーも同じようなモードを持っているとされるが、唯一の例外といっていいのがフェラーリである。昨季は最強のパワーユニットの名をほしいままにしていた跳ね馬の強心臓は、ライバルから疑われていたパワーユニットを巡る“ルール上の抜け穴”にフタをされたからか、今季は見る影もないほどの鈍足ぶりを露呈している。予選用のスペシャルブーストという武器を持ち合わせていないことに、シャルル・ルクレールも「われわれには大した影響はなく、むしろポジティブに働くのでは」との見解を示すほどだった。
予選でライバルを1秒も引き離してしまうメルセデスをつぶすための変更とも捉えられるが、FIAの狙うところは、複雑すぎるパワーユニット機構のルール順守監視のため、またこのモードが、禁止されているドライバーエイドに抵触する可能性があるためともいわれている。
メルセデスの予選での優位性が損なわれるようなことがあれば、2020年シーズンの戦況も変わってくるかもしれないが、果たして……。
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ハミルトンが92回目のポール&150回目の最前列スタート
例年、ヨーロッパラウンドの初戦として5月に行われ、また冬の合同テストの舞台としてもおなじみのバルセロナのコースだが、今年は8月開催ということで夏の日差しに気温も上昇。1週間前の70周年記念GP同様、暑いコンディションでタイヤをいかに使うかが勝負のカギを握ることとなった。
マシンの総合力が問われるサーキットで速かったのは、メルセデス勢。それに次いだのがレッドブルで孤軍奮闘のフェルスタッペン。この3人は3回のフリー走行すべてでトップ3を占め、その勢力図のまま予選に突入した。ポールポジションを奪ったのはルイス・ハミルトンで、今季4回目、バルセロナで5回目、通算92回目の予選P1。さらにフロントロースタートは150回目を数えることとなった。
0.059秒という僅差で2位に甘んじたのがバルテリ・ボッタス。スペインではキャリアベストグリッドとなる予選3位だったフェルスタッペンは、ポールタイムから0.708秒遅れと今回も大きく引き離された。
新型コロナウイルス感染のため2戦欠場したレーシングポイントのセルジオ・ペレスが復帰戦で4位、チームメイトのランス・ストロールは5位と好位置につけた。6位からスタートするレッドブルのアレクサンダー・アルボンの後ろにはマクラーレンの2台が並び、母国GPを迎えたカルロス・サインツJr.7位、ランド・ノリス8位。フェラーリ勢は、9位にルクレール、新型シャシーのマシンに乗り換えたセバスチャン・ベッテルはQ2どまりの11位と今季の定位置につけた。そして10位には、Q3常連となったアルファタウリのピエール・ガスリーが入った。
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スタートでフェルスタッペンが2位にジャンプアップ
前戦では、ハードタイヤでスタートする戦略が奏功し勝利をさらったフェルスタッペンだったが、今回はメルセデスらライバル同様にソフトを履いてのスタート。気温30度、路面温度は50度に届かんとするレースデーで、レッドブルが再び逆転勝ちをおさめるか。
66周レースがスタートすると、トップでターン1に入ったハミルトンに続いたのはフェルスタッペン。車速が伸びなかったボッタスは4位に後退するも、5周してようやくストロールを抜き3位に上がった。
最初の10周は、1位ハミルトンがタイヤをセーブするため意識的にペースを抑えて走行。1.6秒後方でつかえていた2位フェルスタッペンから「とんでもなくスローだ」といわれるほどだった。しかし10周を過ぎると、先頭のメルセデスはファステストラップを連発し始め、この速さにフェルスタッペンはついていけないことが分かる。両車のギャップは15周目に4秒、20周目には6.3秒と、瞬く間に広がっていった。
22周目、タイヤが限界だと訴えていたフェルスタッペンがピットに入り、ミディアムに履き替えた。24周目にはハミルトンとボッタスがこの動きにならうと、1位ハミルトン、4.3秒後方に2位フェルスタッペン、レッドブルから5.2秒遅れて3位ボッタスというオーダーとなった。
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前戦の惨敗から一転 ハミルトン完勝
タイヤを替えハミルトンを追いかけたかったフェルスタッペンだったが、ギャップは3秒台後半からなかなか縮まらないでいた。42周目、フェルスタッペンが2度目のタイヤ交換で再びミディアムを装着。49周目にボッタスがピットに入ると、こちらはソフトを選択してきた。ボッタスは速いソフトタイヤで2位奪還を試みたのだが、フェルスタッペン同様、前との差を詰め切るまではいかなかった。
一方でハミルトンは快調に飛ばし続けた。51周目、再びミディアムタイヤを履くと、2位フェルスタッペンを一周ごとに引き離し、最終的に24秒もの大差をつけて真っ先にチェッカードフラッグをくぐり抜けたのだった。前戦の惨敗から一転、完璧なタイヤマネジメントで雪辱を果たしたハミルトン。これで6戦4勝、ポイントリードは37点にまで拡大し、着々と7度目のタイトルに向けた足固めを進めている。
2位フィニッシュのフェルスタッペンは、「メルセデスの間に割って入れたのは良かった。2位でハッピーさ」と前向きにレースを振り返っていた。
一方、3位に終わったボッタスは「自分にとってはスタートがすべてだった」と肩を落としていた。残り2周で3度目のタイヤ交換に踏み切り、ファイナルラップでファステストラップを更新、ボーナスの1点を追加したのは良かったが、それでもドライバーズランキング2位の座はフェルスタッペンに奪われたまま。最速マシンで3位というのは受け入れがたい結果であることは間違いないだろう。
2度目の3連戦を無事終えたF1は、早秋のスパ・フランコルシャンに向かう。第7戦ベルギーGPの決勝は、8月30日に行われる。
(文=bg)
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