Pages

Friday, August 21, 2020

【ホームズ】引越してすぐにゴキブリが大発生…賃貸物件を途中解約したらお金は戻ってくる? | 住まいのお役立ち情報 - LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)

新しいアパートやマンションに引越してすぐにゴキブリが大発生…。すぐにでも部屋を解約したい場合、払ったお金は戻ってくるのでしょうか。

また、契約書に「解約は1ヶ月前までに通知すること」と記載されている場合は、違約金を払うことになるのでしょうか。

今回は、アディーレ法律事務所の弁護士・谷崎翔先生に「ゴキブリを理由に賃貸物件を途中解約した場合、お金は戻ってくるのか」について解説してもらいました。

引越しに当たり注意したいこと

せっかく引越した家にゴキブリが大量発生…嫌いな人にとってはまさに悪夢。これでは新生活のスタートはとても切れないため、一刻も早く出て行きたいものです。

しかし、引越しをするにしても、すでに不動産会社には仲介手数料、敷金、礼金、これまでに払った賃料…と多額のお金を費やしています。こういった費用はどうなってしまうのでしょうか。

マンションやアパートに住む、ということを法的に見ると、大家さん(賃貸人)と居住者(賃借人)との間で賃貸借契約を締結したことになります。

引越す場合には賃貸借契約が終了することになるのですが、賃貸借契約が終了する形態は3種類あり、以下のように定められています。

  1. 賃貸借期間の満了
  2. 合意解除(解除権の留保)
  3. 債務不履行による解除

今回のように大量の虫が出る物件に期間満了まで住み続けるのは難しいでしょうから、検討すべきは「2. 合意解除」と「3. 債務不履行による解除」の2種類です。ここから、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

合意解除は、当事者双方の合意により契約関係を終了させることです。賃貸借契約においても、大家さんと居住者が合意すれば途中で契約を解除することが可能です。

通常は部屋を借りる際の賃貸借契約書に合意解除のルールが記載されています(たとえば、1ヶ月前に申し出るとか、即時に退去する場合には賃料〇ヶ月分を支払うなど)。

ちなみに、仮に賃貸借契約に合意解除ができると記載されているものの、その条件が特に定められていない場合には、民法の規定により居住者は物件退去の3ヶ月前に申し入れることが必要であるとされています(民法618条、617条)。

合意解除であれば、契約書に定められた条件に従ってさえいれば、ゴキブリの大量発生の責任が大家さんにない場合でも、ゴキブリがそこまで発生していない場合でも賃貸借契約を終了させることができるというメリットがあります。

その代わり、いきなり部屋を出て行かれては大家さんとしては次の居住者を見つけるまで賃料収入が途絶えることになってしまうため、通常は即時退去の場合には違約金を支払うことが合意解除の条件とされています。

なお、合意解除の場合では入居してすぐにゴキブリが発生した場合でも、1年程度経過してからゴキブリが発生した場合であっても、タイミングに関係なく退去することができます。

ただし、入居開始後1~3ヶ月程度の賃料が免除されるいわゆるフリーレント物件の場合には注意が必要です。

フリーレントは大家さんが無料期間分の賃料を損しつつ入居者を募集する制度であるため、通常は2年程度居住しないと退去時に追加で違約金を請求できることが定められていることが多いのです。

債務不履行による解除

では、すぐにでも退去したいが違約金を払いたくない、という場合にはどうすればいいでしょうか。その場合には、債務不履行による解除をする必要があります。

債務不履行による解除とは、当事者の一方の責任で契約の目的を果たせなかったり、契約の履行が遅れたりした際に、もう一方が契約を終了させて最初から契約がなかったことにする制度です。

ここで、大家さんと賃借人との契約関係を見てみましょう。法律上、契約を締結すると当事者はその契約に従った権利や義務を負うことになります。

大家さんには、大まかに言って「賃貸借契約の目的物(マンションの部屋など)を賃借人に使用させる義務、部屋に不具合があれば修繕する義務」があります。その代わり、毎月賃料を受け取る権利を有します。

一方、賃借人には、部屋を使用する権利があると同時に、毎月賃料を払う義務があります。

これだけを見ると、貸し出す部屋が利用できる状態になってさえいれば大家さんの義務は果たされていることになり、そこにゴキブリが大量に発生したとしても、賃貸借契約に影響はないようにも思えます。

しかし、賃借人としては部屋を借りたとしても、そこに安心して居住できなければ賃貸借契約の目的を果たせたとはいえず、大家さんとしてもできる限り安全安心な状態で部屋を貸し出す義務があると考えられます。

実際の裁判でも「賃貸人は賃借人に対して、賃貸借の目的物である建物を人の住居としての円満な使用収益ができる状態で引き渡すべき義務がある」とした裁判例が存在します(大阪地裁平成元年4月13日判決)。

今回のようなゴキブリの大発生についても、大家さんに責任があり、駆除会社や防虫剤の散布などでゴキブリの発生を抑えることができたのに何も対応をしなかった、というような事情があれば、賃貸借契約を債務不履行により解除して、違約金を払わず退去できる可能性があります。

契約が解除されると、その契約は最初からなかったことになり、契約上の債権債務は消滅し、契約によって所有権などの権利の移転が生じたときは、それも当然に復帰します(民法545条1項)。これを法的には、解除の遡及効(そきゅうこう)と呼んでいます。

たとえば、自動車の売買契約を解除した場合、販売店側がすでに代金を受け取っていれば買主に代金を返還しなければなりません。また、自動車の所有権は販売店側に復帰するため、買主は自動車を返還しなければいけません。

それでは、賃貸借契約の解除の場合はどうでしょうか? 売買契約と同様に考えれば、これまでに支払った家賃や礼金、消毒費用や害虫駆除費用は居住者に返還されそうです。

しかし、民法は解除の遡及効の例外を定めており、「賃貸借の解除をした場合には、その解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる」(民法620条)と定められています。要するに、“解除の遡及効は生じない”という条文です。

賃貸借契約は一般的に数年から数十年にわたって継続的に続く契約であり、売買契約のようなその場限りの契約とは異なります。そのため、解除の遡及効を認めてしまうと清算処理が非常に煩雑となってしまうため、このような定めが置かれました。

よって、賃貸借契約を解除しても、これまでに支払った賃料や礼金、消毒費用などは返ってきません。なお、仲介手数料は大家さんではなく契約を仲介した不動産会社に支払うものであるため、そもそも返ってきません。

しかし、敷金については家賃や原状回復費用の担保として差し入れているものなので、未払い賃料やクリーニング代などと差し引きされて、余剰があれば返還されます。

では、ゴキブリの発生について、何も対策を講じてもらえず、明らかに大家さんに落ち度がある場合、大家さんに損害賠償は請求できるでしょうか?

ゴキブリの発生が大家さんによる債務不履行であると言える場合、居住者は大家さんに損害賠償を請求することができます(民法415条)。

そして、前述した大阪地裁の裁判例は、市営アパートの隣人が通常の生活音に対して異常なレベルのクレームや暴行を長期間にわたって加えたため、平穏に住むことができなくなり退去を余儀なくされたという事案になります。

その際、裁判所は、大家さんにはこの隣人のクレームや暴行を防止する義務があったと認定し、家賃の3割~9割に相当する額の賠償や精神的苦痛に対する慰謝料(合計147万円)を認めています。

本件でも、ゴキブリの大発生が債務不履行と認定された場合には、平穏にマンションに居住できなかったとして、家賃の一部に相当する額の賠償や慰謝料を請求できる可能性があります。

また、このような請求を控える代わりに、引越し代を請求するなどの交渉余地もあると思います。

ゴキブリが出にくい家を選ぶポイント

一般的に、マンションの高層階は虫が出にくいと言われています。虫の発生源は地上に近い場所に多く、強風の吹く高層階まで自力で飛んできたり、外壁を登ってきたりするのが難しいからです。

外壁や家のそばの高い街路樹や電柱などをのぼってきたり、エレベーターなどで移動したりと虫の侵入ルートはさまざまなため「地上◯階以上であれば絶対に出ない」と言い切ることはできませんが、階数が高いほど遭遇する可能性は下がると言えるでしょう。

また、築年数の浅い住宅ほど虫が出にくいとも言われています。その理由のひとつが、近年住まいの高気密化が進み、外部から虫が侵入できるすき間が減ったということにあります。

築年数が経過した物件は、建物の劣化が進んでいる可能性もあり、壁のひび割れや窓や戸の隙間、古くなっている配管などから侵入されてしまうケースが考えられます。

ただし、築年数が経過していてもリフォームやリノベーションによって修繕されている場合もあります。また、配管が交換されていたり、定期的に洗浄が行われていたりするだけでも、ゴキブリの侵入リスクは大きく低下します。建物の経過年数以上に、共用部分の管理状態が重要なポイントとなるのです。

ゴキブリが出やすい条件としては、1階が飲食店などになっていることが挙げられます。ゴキブリは、豊富なエサがあって暗く湿気のある場所を好むため、飲食店やコンビニエンスストアなどの店舗は格好のすみかとなってしまうのです。

また、土や枯れ葉、樹木はゴキブリのすみかとなるため、近くに公園や森などがある場合は注意が必要です。さらに検討している物件の近くに“ゴミ屋敷”や“汚部屋”と呼ばれる家があれば虫の発生源になることが考えられるため、近隣の住戸の様子もよく確認しましょう。

こまめに掃除をして清潔な状態を保つ

ゴキブリにとっては、食べ残しはもちろん、ホコリや髪の毛もエサになります。そのため、こまめに部屋の掃除をして、清潔な状態を保つようにしましょう。

生ごみや食べ残しをしばらく放置していたら、その臭いに誘われてゴキブリが部屋に侵入してくることがあります。臭いが漏れないように蓋つきのゴミ箱を使用し、食材はしっかりと密封して保存しましょう。

ダンボールにも要注意です。ダンボールの中は保温性があり、ゴキブリにとって卵を育てるのに最適な環境とされるため、ダンボールのすき間に入り込むゴキブリも多いようです。部屋に不要なダンボールがそのままになっていたらすぐに処分しましょう。

また、室外にゴキブリのすみかをつくらないよう、ベランダや庭の落ち葉もこまめに掃除をしておきましょう。

ゴキブリはわずか数ミリの隙間からも室内に侵入するため、壁や窓、ドアの隙間をふさいでおくことが重要です。特に、築年数の経過した物件においては、建てつけの悪い箇所を放っておくと侵入リスクが高まります。

エアコンや換気扇も侵入経路となるため、フィルターなどできちんとカバーしておきましょう。また、風呂やシンクの排水口からの侵入を防ぐために、使わないときにはきちんと栓をしておくことも大切です。

ゴキブリが近寄らないようにするためには、侵入経路となりそうな箇所にベイト剤と呼ばれる市販の毒餌を仕掛けるのも効果的です。台所の水道管まわりや洗濯機の排水口付近など、侵入しやすいポイントを押さえておくことがポイントとなります。

また、ゴキブリが嫌うハーブやアロマを使ってみるのも1つの方法です。ミントやキャラウェイ、レモングラスなどが効果的な植物として挙げられており、香りや見た目のよさも魅力的だといえます。

ただし、ペットを飼っている人は、影響が出ないようにきちんと調べておくことが重要です。殺虫効果のあるものは、それ以外の動物にも悪影響を及ぼすことがあるため、事前に安全性を確かめておきましょう。

Let's block ads! (Why?)



"であるために" - Google ニュース
August 21, 2020 at 03:18PM
https://ift.tt/34lRSCO

【ホームズ】引越してすぐにゴキブリが大発生…賃貸物件を途中解約したらお金は戻ってくる? | 住まいのお役立ち情報 - LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)
"であるために" - Google ニュース
https://ift.tt/2HbtK9j
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment