独占禁止法(反イラスト法)にApp Storeが抵触しているかを巡る問題で、Appleは同ストア以外の場所でアプリをインストールできるようにすると、ユーザーのプライバシーに危険が及ぶとの懸念を示しています。しかし欧州連合(EU)でデジタル競争担当責任者を務める、マルグレーテ・べステアー氏は、競争を制限するためにプライバシーを言い訳にすべきではないとし、Appleの主張に反論しました。
歩み寄りの姿勢も見せる
マルグレーテ・べステアー氏はReuterのインタビューに対し、プライバシーやセキュリティの重要性は認めつつも、ユーザーがアプリをサイドロード(公式ストア以外からダウンロード)する時に、セキュリティが犠牲にされるとは考えにくいと述べました。確かにセキュリティやプライバシーが危険に晒される可能性は高くなるでしょうが、ユーザーが両者を放棄するわけではないからです。
べステアー氏は何年も前から、EUでデジタルマーケット法の整備に取り組んできました。この法律が施行されれば、iPhoneやiPadといったiOSユーザーは、サードパーティのアプリストアからアプリをダウンロードすることができるようになります。
Appleはこの法律に従う必要があるため、同社のティム・クック最高経営責任者(CEO)は6月、アプリのサイドロードに関連する法案は、iPhoneのセキュリティや、App Storeに組み込まれているプライバシーについての取り組みを破壊しかねないと反対していました。ただしべステアー氏は、Appleらとの話し合いによってデジタルマーケット法を修正し「解決策を見出す」ことは可能だと述べ、歩み寄りの姿勢も見せています。
トラッキング防止機能は問題視せず
一方でべステアー氏は、AppleがiOS14.5より実装した「アプリのトラッキングの透明性(App Tracking Transparency)」については、誰もが利用できるオプションであるため、機能に問題はないとの見方を示しました。この透明性ポリシーでは、自分のアクティビティをアプリに追跡させるかどうかをユーザー自身が能動的に選択することはできます。
「誰もが同じ条件に置かれているならば、ユーザーがアプリ使用時以外でトラッキングされたいかを簡単に選択できるサービスをプロバイダーが提供してくれるのは良いことだ。今のところ、Appleの行為が問題にあたるとの考えは持っていない」。この機能については、広告ビジネスを主体とするFacebookらから強い反対の声が上がっていました。
とはいえ、全体としてみれば、Appleを取り巻く環境が厳しいものであることに変わりはないでしょう。EUのデジタルマーケット法に相当する法案を、複数の米下院議員が議会に提出しており、世界中でテック業界の置かれている状況は変化しつつあります(大した影響がないとみる向きも一部あります)。
Source:Reuters,MacRumors
Photo:Flickr-bobbsled
(kihachi)
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