元Hanako、Hanakoママ編集長の片岡延江さん。25年間勤めた会社を退職してから、韓国に暮らしたり、PTA活動に熱中していたそうですが、現在、築古家屋を購入しDIY再生中。編集の仕事をしながら大家業に立ち向かう日々。そんな片岡さんの大家日記シリーズ第1回をお届けします。
早期退職し、家買って、大家さんやっています
「家を買って大家さんしてる」と言うと「すごいね」って言われます。が、私が買うのは値段も手頃な古い昭和な家、それをコツコツ再生していくのみです。 木造の家は、基礎がしっかりしていたら、側をしつらえていけばいい感じに仕上がるんです。昭和建築の、塗りの壁やガラスの木戸、目透かしの天井、欄間や長押などなど、最近ではなかなか見られなくなった造作を生かしながら、自分好みにリノベしていきます。ゆくゆくはその物件を気に入って借りてくれる人がいる、そして、家賃が入ってくれば、年金の足しにもなるから頑張りがいもあるってものです。とはいえ、安い家にはそれなりの理由もあり、大家になればの苦労も次々にやってきます。今でこそ笑い飛ばせるものの、当時は夢の中に物件がお化けのように現れて、目が覚めるってこともありました。
第一号は公売物件、入札にドキドキ
会社を早期退職し、ゆるりと暮していた日々、テレビで「成田空港周辺がLCC需要で盛り上がっている」というニュースを見て「不動産でも買ってみるかな」とネットで見つけたのが第一号物件です。駐車場付きの4LDKで、成田空港まで車で30分ほど。最寄り駅までは徒歩圏内で東京の銀座までなら1時間25分。都心通勤圏内なのに驚くほど格安でした。格安なのには理由があり、それは公売物件だったから。ネットで見た価格もあくまでも基準価格で、これ以上の値付けをして落札しなくてはいけません。 入札日はなんと翌日というスピード判断が迫られる物件でもありました。 そんな物件も「入札日前日に発見するとはこれは何かの縁だ」と勝手に思い込み、翌日あさイチで車を飛ばして見に行きました。公売物件とは税金が払えず差し押さえられた物件で、中を見ることはできず、外から見回りです。 すでに「オトクな物件」と刷りこまれた頭で見ているため「割といい」と判断され、私は、入札をすることを決めたのでした。今思うと、初心者には難易度超高め物件、怖いもの知らずでした。
手に入れた物件、その実態は?!
その足で入札場所の税務署に出向くと…。中には、いかにも不動産業界風なスーツを着た男性の方々ばかり。周りが皆ライバルに見えて、入札金額には、予定より高めの金額を記入、ドキドキしていましたが、落札者として自分の名前が呼ばれたときは心で大きなガッツポーズをしていました。ところが…次順位はおらずで、入札者は私一人。ライバルと思われた人たちは別の物件が目当てだったのです。人気物件だと思ったのは私だけ……!?その理由は徐々に明らかになっていきました。
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