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Tuesday, January 18, 2022

「ハラル」対応 本格の味 - 読売新聞

 自家製のインドネシア料理が自慢の弁当店「Halal House(ハラルハウス)」を昨年12月、高知市潮見台の住宅街にオープンさせた。イスラム教の戒律で食べることを禁じる豚肉を使わないなど、全ての料理が「ハラル」に対応。「ムスリム(イスラム教徒)のみならず、高知の多くの皆さんに味わってほしい」と期待する。

 ジャカルタ生まれで、3男2女の一番上。昔から料理が好きで、よく母親と一緒にキッチンに立った。日本語を学び、約20年前に高知に来た。

 県内で暮らすインドネシア人で作る約150人のコミュニティーがあり、同郷の友人もできた。最近は技能実習生も増えたが「豚肉が入っているか不安なのに、ハラル料理を提供する店がなく、コンビニのパンしか食べられない」と困惑する人がいると聞いた。

 来日当時、ハラルの考え方が知られておらず食事で苦労した自身の記憶と重なった。力になりたいと自宅敷地内にプレハブの建物を設置。開店にこぎ着けた。

 新ショウガなど使う食材の多くは県産。入手が難しい香辛料はインターネットで探し、本格的なインドネシア料理の味に調える。春巻きも皮から自分で作る。注文のある日は仕込みのため朝早く起きるが、「楽しいから平気」だ。

 現状のメニューは、インドネシア風焼きそば「ミーゴレン」やスパイスを使った揚げ鶏「アヤムゴレン」などが入った弁当、チキンカレー(いずれも税込み600円)など。レパートリーは徐々に増やしていき、パーティー用のオードブルにも対応する。

 予約制。電話(070・2220・5577)やメール(halalhousekochi@gmail.com)、フェイスブックなどのSNSで受け付けている。

 オープンから3日後、14人分の弁当を作っている最中を訪ねた。

 「これが『ミーゴレン』。一口食べてみて」。味見すると、麺は日本の焼きそばと同じで、具は鶏肉のほか、小松菜とニンジン。少し甘くてエキゾチックな香りがした。母国で使われる調味料「ケチャップマニス」を使っているらしい。

 帰り際には、「お昼ご飯にどうぞ」と弁当を持たせてくれた。注文は14人分のはずなのに、15個目を作っていたのは、そういうことだったのか。

 詰まっているのはレモングラスで爽やかな香りを付けたターメリックライスや、ピーナツソースで味付けした焼き鳥など。初めて出会う味も多かったが「冷めてもおいしい料理を選んだ」と言うだけあって、どれを食べても幸せな気分になれた。(飯田拓)

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