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Friday, May 27, 2022

「第2次米粉ブーム」真っ盛り 小麦の代替→味評価 加工技術や専用品種、追い風に - 日本農業新聞

 “第2次米粉ブーム”が一層の盛り上がりを見せている。製粉や食品加工技術の向上と米粉用米の品種開発が背景にある。コロナ禍で需要は一時停滞したが、21年度で盛り返し、米粉の市場定着を印象づけた。農水省は、小麦の代替として注目された“第1次ブーム”と違い、「米粉がおいしいから選ばれている」と分析。ノングルテン市場が急成長する欧米への輸出策も進めている。(栗田慎一)

 第2次ブームは、需要が前年度比25%増の3万1000トンと5年ぶりに過去最多を更新した18年度が起点。19年度も3万6000トンと伸び、同等量だった20年度産を挟んで21年度は4万トンを超え、22年度も数千トンの増加が確実視される。

 農水省によると、主食用米が豊作だった05年、市場隔離した米の一部を米粉に加工、販売したことが普及策の始まりだという。

 米粉は団子などの材料になる粒子の粗い上新粉が主流だった。小麦粉と同等の微細粉に砕いて「小麦粉の代替」とし、食料自給率の向上も狙った。09年に製粉施設の建設などを促進する「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」の施行で供給量が急増し、需要を引っ張る第1次ブームが起きた。

 ところが、当時は粉砕時にでんぷんが壊れる主食用米が使われ、パンを作っても水分を吸って膨らまない「米粉限界論」が生まれ、生産量は急減。14年度産から需要も“停滞期”に突入した。

 一方で、農研機構九州沖縄農業研究センターが開発した米粉用米「ミズホチカラ」や「こなだもん」などが登場。消費者が目的に応じて選べるよう農水省は17年、米粉の用途別基準を制定した。膨らむ上、もちもち、しっとりとした食感が評価され、食品会社や料理人らが米粉に回帰。需要が供給を引っ張る第2次ブームにつながった。

 「ミズホチカラ」は収穫が晩秋で、東日本では栽培が難しい。同センターは品種改良を進め、北関東を北限とする「笑みたわわ」を開発。JAも協力して茨城、千葉で実証栽培が進む。福岡の企業はホットケーキミックスに加工して販売を始めた。

 輸入小麦の高騰により米粉への注目はさらに高まっている。ただ一層の需要拡大には、専用品種や加工技術活用がポイントとなる。

 海外輸出も増えている。政府は18年にノングルテン第三者認証制度を導入。今年1、2月の米粉輸出量は21年1年間の3倍近い。農水省は「高品質な日本産の米粉や米粉加工品を世界に広めたい」(穀物課)と意気込む。

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