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Wednesday, June 15, 2022

日本から世界を驚かす会社が出ない根本的な事情 | スタートアップ - 東洋経済オンライン

日本の経済界にGAFAMのようなリーダーがいないのはなぜ?(写真:metamorworks/PIXTA)

21世紀に入って以降、グローバル企業のリーダーの資質はこれまでの常識とは大きく変わりました。

20世紀の優れた経営者といえば、GE再興の祖であるジャック・ウェルチのようなイメージが典型例でした。厳しさと実行力、高い目標管理能力を兼ね備えた経営者です。

多数の事業を傘下に抱え、それぞれを率いる事業部長同士を競わせる。ダメな部門は売却し、その資金で新しい会社をM&Aする。そのようにしてGEは電機メーカーから脱却し、20世紀末には世界有数の金融コングロマリットに成長しました。

ところが21世紀に入って20年たった段階で見れば、資本市場でのGEの存在感は地に墜ちています。企業としてどのような未来に向かっているのかがわからない。直近の時価総額は820億ドル(約11兆円、2022年4月末時点)とソニーやNTTよりも小さな存在です。

21世紀のリーダーの条件は「イカれていること」

拙著『日本経済 復活の書――2040年、世界一になる未来を予言する』でも詳しく解説していますが、GEに代わって21世紀の資本市場をリードしてきたレジェンド級の企業トップの顔触れを見ると、21世紀を引っ張るリーダーの新しい共通項が見えてきます。

すでに引退したり死去した人を含めて名前を挙げていくと、

・スティーブ・ジョブズ(アップル)
 ・ビル・ゲイツ(マイクロソフト)
 ・ジェフ・ベゾス(アマゾン)
 ・ラリー・ペイジ(グーグル、アルファベット)
 ・マーク・ザッカーバーグ(メタ、旧フェイスブック)
 ・イーロン・マスク(テスラ、スペースX)

これらの企業の共通点は2つあります。1つはこの6社すべてが少なくとも一度は、20世紀には前人未踏だった時価総額1兆ドル(約130兆円)に近年到達した企業であること。そして、もう1つは彼ら6人全員がいい意味で「頭がイカれている」ことです。

その共通点以外は6人とも個性はさまざまで、人格者もいれば一緒に働きたくない人もいますし、老練で洞察力に優れた人もいれば若くてエネルギッシュな人もいます。

「頭がイカれている」という言葉はきつく見えるかもしれませんが、けなす意図はまったくなく、悪い意味で言っているのでもなく、むしろ褒めています。個性の差はあれど未来を描く発想がぶっ飛んでいるという点が共通している。21世紀のリーダーに必要なことは、「常識人の発想を超えた未来を描くことができる」という資質なのです。

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