東京オリンピック・パラリンピックをめぐる汚職事件で、組織委員会元理事への贈賄の疑いで社長が逮捕された広告大手ADKホールディングスの元幹部が「スポンサーの契約業務で得られる報酬の半分に当たるおよそ2000万円を都内のコンサルタント会社に送金するよう元理事から指示された」と周囲に説明していたことが関係者への取材でわかりました。
この会社は当時、元理事の知人が代表を務めていて、東京地検特捜部は知人の会社を賄賂の受け皿にすることで不正を隠そうとしていた疑いがあるとみて調べているものとみられます。
元理事は容疑を否認しているということです。
大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者（78）は、広告大手ADKホールディングス側がスポンサーの契約業務を請け負えるよう便宜を図り、総額4700万円の賄賂を受け取ったなどとして19日、受託収賄の疑いで東京地検特捜部に再逮捕されました。
また、贈賄側としてADKホールディングスの前社長 植野伸一容疑者（68）や元事業統括部長の久松茂治容疑者（63）ら3人が逮捕されました。
関係者によりますと、ADK側はスポンサーの契約業務の一部を請け負えるよう元理事に働きかけ、およそ4000万円の報酬を得ましたが、久松元部長が「この報酬の半分に当たるおよそ2000万円を都内のコンサルタント会社に送金するよう元理事からADK側に指示があった」と周囲に説明していたことが新たに分かりました。
この会社は当時、元理事の高校の後輩が代表を務めていて、特捜部は後輩の会社を賄賂の受け皿にすることで不正を隠そうとしていた疑いがあるとみて調べているものとみられます。
関係者によりますと、高橋元理事は「身に覚えがない」などと供述し容疑を否認しているということです。
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