連載:仕事に役立つ企業トリビア
「知られざる本社所在地」「手掛けている意外なビジネス」「ロゴマークに込めた真意」「名物社長の経歴」――ビジネスを楽しくする企業トリビアを紹介していく。
あまたのグルメガイドが世の中には存在するが、その中で王様と言えば「ミシュランガイド」の名が挙がるだろう。人生で一度は3つ星店に行ってみたいものだ。
そんな世界的に有名なグルメガイドブックを製作しているのがどんな会社かご存じだろうか。発行元はミシュラン、フランスのタイヤメーカーだ。ミシュランガイドの歴史は1900年までさかのぼる。
1900年、広まり始めたばかりのドライブ文化をより安全で楽しいものにするために、同社は「ミシュランガイド」を製作した。当時は、自動車修理工場の紹介や市街地図、休憩のためのガソリンスタンドやホテルなどの情報を掲載。ドライバーがドライブを楽しむためのガイドブックとして無料で配布していたという。
創業者・ミシュラン兄弟が、無料配布だったがゆえにぞんざいに扱われているミシュランガイドを目にしたのがきっかけとされる。ドライバーたちにとって本当に有益な情報を示す目的で、料理の評価が高いホテルを「星」の数でランク付けするシステムを採用し、グルメガイドとして販売を開始した。31年にフランスの地方で、その後、エリアを拡大し33年にはパリも対象に。2007年11月、アジア初となる「ミシュランガイド東京2008」が誕生した。
星を獲得する飲食店が多く存在する日本で、ミシュランがタイヤ販売事業を開始したのは1964年。東京オリンピック開幕に合わせて、東京・浜松町~羽田空港間に新設されたモノレールに、ミシュランスチールラジアル“X”タイヤが採用されたのが始まりとなる。
ガイドブックの印象が強いが、ミシュランはタイヤ業界をけん引する存在でもある。日本国内では、大企業と手を組み円滑で強固な物流体制の再構築に力を入れている。22年9月、ヤマト運輸とリードロジスティクスパートナー契約を締結。ミシュランのサプライチェーン全体を変革し、その物流と在庫を最適化することで、将来的な総ロジスティクスコストの削減や出荷リードタイムの短縮を実現するとしている。
「すべてを持続可能に」という企業ビジョンのもと、50年までに100%持続可能な成分でタイヤの製造に取り組むほか、大西洋にて帆船による海上輸送の推進、東南アジアでの天然ゴム栽培および森林保全の管理の最適化など、グローバル規模で脱炭素を展開していく姿勢を見せている。
グルメガイドとタイヤ。全く異なる業界で今後ミシュランはどのような新しい取り組みを展開していくのか。
(ITmedia ビジネスオンライン)
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