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Thursday, April 6, 2023

「その苦情、行き過ぎでは?」 バス会社がカスハラの意見広告を出した真意 - ITmedia ビジネスオンライン

 「その苦情、行き過ぎじゃありませんか?」――。3月、秋田県のバス会社が地元紙に出稿したある意見広告が、SNSや新聞報道を通じて大きな話題になった。利用者が過度な要求を突きつけるカスタマーハラスメント(カスハラ)への意見を表明したもので、「お客様は神様ではありません」との強い表現も見られる。相当な怒りを抱いているものと想像し話を聞くと、当初のイメージとは異なる回答が返ってきた。

秋田県のバス会社が地元紙に出稿したある意見広告が大きな話題になった。画像はイメージ(提供:写真AC)

 意見広告は3月16日、秋田県能代市の日刊紙「北羽新報」に掲載された。

 「近年、些細なことで理不尽なクレームや過度な要求をするお客様がおられます。確かに、当方に非があり、お詫びする場合もありますが、車内外のドライブレコーダーで確認し、非がないことをお伝えしても一方的に攻撃されます」

 「弊社はご利用者様に安全な移動を提供するとともに、社員を守ることも大切だと思っています。お客様と社員は対等の立場であるべきで、お客様は神様ではありません」

 「お客様は神様ではありません」の個所は太字で強調されている。場合によっては乗車を断るとも記載している。

バス会社が出した意見広告(提供:北羽新報社)

 広告は当初、SNSを通じて大きな話題になり、社員を守る姿勢を打ち出したバス会社を支持する意見が多数投稿された。

「99%の良いお客さまに迷惑がかかってしまう」

 「大きなニュースになり、非常に戸惑っています。私どもは小さなバス会社で、狭いエリアで路線バスやタクシーを運行しています。乗客もほぼ皆が顔見知りでいい人ばかり。今回、たまたまひどい例が続いたので、このままではまずいと思い広告を出しました」

 社長を務める男性は電話口で、戸惑い気味に話してくれた。今回、広告を出そうと決めた理由は、社員を守ることは当然ながら、人手不足が深刻化する中で、カスハラをきっかけに利用客へのサービス低下を招く恐れがあると危惧したからだという。

 「今は地方も人手不足が深刻で、カスハラが原因で社員が離職してしまうと、結果的には99%の良いお客さまに迷惑がかかってしまう。タクシー運転手が辞めたら、今までお客さまの元に5分で行けたところが10分20分かかってしまうかもしれない。路線バスの運転手が辞めれば路線の廃止にもつながりかねません」

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