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Friday, August 18, 2023

心のバリアフリーセミナーを開催しました|LIVE ANA GROUP ... - ANA Group 企業情報

2023 / 08 / 18

ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン

2023年6月に「心のバリアフリーセミナー」を開催し、対面、オンライン視聴も含めて、約240名のANAグループ社員が参加しました。

「心のバリアフリーセミナー」は、ANAグループが共生社会の実現に向けて、様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことができるようにすることを目的に、2015年から開催しています。

(左から)全国医療的ケアライン代表宮副さん、宮副さんの息子さんのしんちゃん、ANA CX推進室 CX戦略部の村田さん、何(ホ)さん

16回目の開催となる今回のテーマは、『医療的ケア児者がゆく』

※医療的ケア児とは・・・医療的ケア児とは、医学の進歩を背景として、NICU(新生児特定集中治療室)等に長期入院した後、引き続き 人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のこと。(参照:厚生労働省 医療的ケア児について)

特別講師として、全国各地の医療的ケアが必要な当事者や家族、支援者を一つにつなぐネットワーク「全国医療的ケアライン」代表の宮副 和歩(みやぞえ かずほ)さんにご登壇いただきました。
宮副さんは医療的ケアが必要な息子のしんちゃんのお母様でもあります。

セミナー前半ではしんちゃんの症状や医療的ケア児者について、そして全国医療的ケアラインを立ち上げた経緯についてお話しいただきました。

しんちゃんは寝たきりの重症心身障がい児として生まれました。体のコントロールが難しく、ミルクを飲んでも吐いてしまうため、宮副さんは1日10〜12時間ほど抱っこをして過ごしていました。
生まれた当初は笑顔もなく泣いてばかりいたしんちゃんでしたが、沢山話しかけることで、少しずつ笑顔が増えていき、心の発達がゆっくりのしんちゃんも、1年経つころには満面の笑みを浮かべられるほど表情が豊かになりました。

しんちゃんの笑顔の写真

そして2歳半のときに重度の気管軟化症と診断され、気管切開の手術を受け、人工呼吸器を使用する“医療的ケア児”となりました。

笑顔のしんちゃん(講演資料から)

医療的ケア児者と言っても、寝たきりの子どももいれば、呼吸器のホースをつけながら歩ける子どももいます。

しんちゃんの場合はお腹につけた胃ろうから栄養を摂ったり、喉に開けた穴からたんの吸引をするといった、日常的な医療的ケアを朝6時から夜26時まで行う必要があります。
それに加えて重症心身障がい児としての通院や療育、オムツ交換のケアの他、2歳離れたお兄さんのお世話も夫婦お二人で行わなければいけませんでした。しんちゃんの命を守る生活が最優先であるため、お兄ちゃんと遊んだり、家族みんなで出かけたりするなどの娯楽はほとんどなく、兄弟と家族にとって「本当にこれでいいのか?」と考えるようになった宮副さん。

この状況を解決するために2017年に「板橋区医療的ケア児親の会」を設立し、孤立せず仲間づくりができる場とした他、医療的ケアを必要とする人たちの存在を知ってもらうために行政に説明をしていきました。

しんちゃんが支援学校へ入学する2019年には「東京都医療的ケア児親の会」を設立し、都内各地域で活動している親たちが集まり、都への要望活動などを始めました。

そんな中、医療的ケア児者にとって大きな希望となる「医療的ケア児支援法案」が2021年に可決。その翌年の2022年に47都道府県の家族会をつなぐネットワーク「全国医療的ケアライン」を発足し、当事者や家族の情報交換やつながりの場として運営されるかたわら、国や自治体などへの発信も積極的にされるなど、精力的に活動されています。

会場の様子

セミナー後半は、医療的ケアを必要とする方が飛行機で旅をするということについてお話しいただきました。

まず事前準備の段階で、医療的ケアに必要な医療機器やグッズ、車いすに加え、本人や家族の衣服等、大量の荷物を準備しなくてはなりません。それに加え、飛行機に医療機器を持ち込むためには、たくさんの書類や手続きも必要です。

また、飛行機の中でどのようにケアをするのか、旅先で医療的ケア児者を診てくれる病院はあるのかなど、いろいろな不安が重なるため、飛行機に乗ることへのハードルが非常に高いことをお話しいただきました。

医療的ケア用品

「それでも僕らは出かけたい」

「それでも僕らは出かけたい。それは、経験による発達や成長をする本人の世界を広げるためだったり、家族揃って過ごす時間、兄弟の世界を広げてあげたいという親の思いであったり、会いたいと言う祖父母や親戚のためでもあります。
医療的ケアが必要だからと、出かける経験をしなくてもいい子どもがいるのでしょうか。」

家族や友人と出かけ、沢山の素晴らしい経験をする、実際に会えるということの大切さは、すべての人に大切な経験であることをお話しいただきました。

「元気でいられる選択肢が増えた今、その中で自分らしく生きられる社会であって欲しい。医療的ケア児や障がい者に対して知ろうとすること、関心を持つことから始めて頂きたいです。」
これからの社会に期待することとして、最後にお話し頂いた宮副さん。「助け合う社会、認め合う社会」を作るためには個々人の心のありかたが大切であり、知識がなくても、まずは「声をかけよう」、「手を差し伸べよう」という姿勢が大事だと、教えて頂きました。

当日の会場の様子

参加したANAグループ社員からは、
・「医療的ケア児者がどのような生活をされているのかを知ることができ、医療のケアや障がいの有無に関わらず、一人の人間として経験を大切にされているお話がとても印象的だった。」
・「お手伝いが必要とされているお客様に対する不要な気構えを無くすこと、ご搭乗されるまでにどれだけの想いを抱き、手続きや準備などの手間をかけて来て下さっているかを知ることができた。そのような状況に想いを馳せ対応していきたい」
といった感想が寄せられました。

当日の対面ならびにオンラインでの集合写真

ANAグループはこれからも、すべての人々に「ワクワクで満たされる世界を」楽しんでいただけるよう、ユニバーサルな取り組みを通じて、誰もが暮らしやすい社会づくりに貢献していきます。

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