発電などに使う液化天然ガス(LNG)の昨年の輸入量が前年比約7%減の7733万トンとなり、東日本大震災後で最大の落ち込みとなった。電力消費の頭打ちに加え、暖冬など天候の影響を受けた。LNGを使い切れず、巨額損失を出す電力会社も出ている。
震災直後は各地の原発が止まり、電力会社はLNG確保に追われた。今や「余剰」が課題で、エネルギー情勢が大きく変わっている。
輸入急減 背景に原発再稼働
財務省「貿易統計」によると、2010年に7001万トンだった輸入量は震災後の14年に8851万トンとピークに。その後は微減だったが、18年まで7年連続で8千万トン台を維持した。
19年に急減したのは、電力消費の伸び悩みに加え、発電所側の事情がある。太陽光発電など再生可能エネルギーの拡大や原発の再稼働などを受け、LNG火力発電の利用を絞っている。
国内の総発電量でみると、天然ガス火力が占める比率は震災があった10年度に29%で、原発がゼロだった14年度は43%に増えた。18年度は38%まで落ちている。
九電の決算「残念な内容」
LNGが余って損失を出すなど最も大きな影響を受けているのが九州電力だ。
2019年4~12月期の純利…
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液化天然ガス、震災後に集めすぎて余剰 電力会社を圧迫 - 朝日新聞
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