香港=奥寺淳
香港の大手不動産会社が、新型コロナウイルスのワクチンを接種した市民を対象に、1080万香港ドル(約1億5千万円)のマンションが当たる抽選を始めることを明らかにした。香港メディアが29日に報じた。ワクチンの接種率はまだ20%程度にとどまっており、香港政府が企業に協力を呼びかけていた。
今回、マンションが当たる抽選を始めるのは不動産大手の信和グループと華人置業グループ。「ワクチンを打ったらマンションが当たる」と称した抽選は、18歳以上の香港市民や就労ビザを持っている人が対象で、2回の接種を終え、9月1日までに登録すれば抽選に参加できる。
抽選で当たるのは、香港の九竜半島側にある約42平方メートルのマンション。香港メディアが調べたところ、40階以上の北西向き1LDKで、独立したキッチンスペースとバスタブ付きの浴室がある部屋とみられるという。香港は世界でも住宅価格が高いことで知られ、市民は住宅難に悩んでいる。
香港政府は年内に市民の70%がワクチン接種する目標を掲げるが、現在のペースでは達成できない。このため企業に摂取率を高めるための協力を求めていた。一方で香港紙明報は、「ワクチン接種は医療行為であり、航空券やテーマパークのチケットの抽選ならともかく、(住宅という高額な商品で)強制的に誘導して接種させるのは望ましくない」とする生命倫理学専門家の見方を伝えている。(香港=奥寺淳)
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