大分県杵築市大田地区(旧大田村)の住民が合同会社を立ち上げ、地域唯一のガソリンスタンド(GS)の存続を目指している。設備の老朽化などにより、来年1月までに閉店する店舗の経営を承継。高齢者への暖房用灯油の配達や給油といった生活に欠かせないサービスの維持を図る。クラウドファンディング(CF)を立ち上げ設備更新の資金を募っている。 大田地区では現在、小関石油(沓掛)のみが営業。灯油の宅配・店頭販売(計約140世帯分)のほか、農業用機械やビニールハウスの加温設備への給油を担っている。ただ、経営者夫婦が共に80代となり、来年6月には地下タンクの設備更新期限が迫っていることもあり閉店を決めていた。 小関石油がなくなると最寄りのGSまでは最短で約10キロある。運転免許がなく冬場の暖房を灯油配達に頼っている高齢世帯もあり、住民生活への影響が大きい。地域のGS消滅の危機を回避しようと、住民自治協議会「大田ふるさとづくり協議会」で解決策を検討。住民有志で合同会社「おおた夢楽(むら)」を設立し経営を引き継ぐことになった。代表社員には協議会長の吉広和男さん(66)=永松=が就任。2人を常時雇用する。 CFは、地下タンクの更新費用の400万円が目標。支援金がふるさと納税の寄付金となる仕組みを利用し、広く市外からも支援を受け付ける。 GSの運営は10年間をめどに続ける。経営安定のため灯油の配達事業を拡充する。協議会を通じて、住民に灯油購入の意向調査を実施。宅配と店頭を合わせた販売先は約180世帯まで増える見込みだ。2週間に1回程度の宅配時には高齢者世帯への見守りサービスも手掛ける。 おおた夢楽では、地域課題に対応したさまざまな事業を展開していく予定。吉広代表社員は「GSは生活インフラでもある。生活しやすい地域にするために存続させたい。移住希望者にも来てもらいやすい環境を整えることにもつながる」と話した。
<メモ> クラウドファンディング(CF)はふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」で募っている。期間は2022年2月23日まで。自治体が使い道を指定して寄付を募る「ガバメントCF」と呼ばれる形式で実施。問い合わせは杵築市商工観光課(TEL0978-62-1808)。
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