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Monday, September 19, 2022

江戸から続く歴史と味を後世へ 創業240年記念瓶のもろみ酢 中野嘉兵衛商店が販売 - 東京新聞

240周年記念瓶を手にする飯田さん(左)と中野さん=宇都宮市で

240周年記念瓶を手にする飯田さん(左)と中野さん=宇都宮市で

 木桶(おけ)仕込みのもろみ酢を製造、販売する食酢醸造元「中野嘉兵衛商店」(栃木県宇都宮市)は、創業二百四十年を記念したボトルのもろみ酢を二十日、発売する。同社十二代目の中野浩行さん(49)の企画で、九代目がのこした絵を元にしたオリジナルのラベルに、同社で醸造に使う二つの木の桶をデザインした宮染めの手拭いでラッピング、江戸時代から脈々と続く歴史と味を後世に引き継ぐ思いを込めた。(萩原誠)

 一七八一(天明元)年創業の同社は、もろみ酢や、宇都宮市の餃子(ぎょうざ)専門店で提供する酢などを製造している。もろみ酢は次回仕込みの元になる酢で、三年以上寝かせた酒かすを使い三カ月間入念に発酵させ、さらに三カ月以上熟成させる。自然な酸味とまろやかな風味が特徴で、利用者から「お酢を変えるだけで料理がこんなにおいしくなるのか」と驚かれるという。

 昨年、二百四十周年を迎え、中野さんは「十三代目以降も歴史を引き継いでいくために、何か記念になることをしたい」と考え、イベント開催が難しいコロナ禍でもPRできる記念瓶を企画した。

 ラベルと手拭いは、国際的に活動する和楽器集団「切腹ピストルズ」総隊長の飯田団紅さん(53)=栃木市在住=がデザイン。江戸の味を守る中野さんが、江戸の文化を発信している飯田さんに、共通の知人を通じて協力を打診して実現した。

 飯田さんは同社を見学、自由民権運動や宇都宮空襲などの影響による廃業の危機を乗り越えた歴史に触れ、デザインを検討。画家でもあった九代目嘉兵衛がのこした絵の中から、かめの中の酢を三聖人がなめる様子を描いた「三聖人 吸酢の図」をラベルデザインの元にした。飯田さんは「騒乱の時代を乗り越えてきた歴史に、パワーを感じた。微力でも記念のお手伝いできて光栄」と話す。

 「二百四十周年記念瓶 もろみ酢」は七百二十ミリリットルで価格は二千円。店頭や同社の公式通販ホームページで販売する。問い合わせは同社=電028(633)3675=へ。

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