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Monday, May 8, 2023

河川監視カメラ337台が停止 IoT端末なのに無防備で運用 - ITpro

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2023年1月中旬、国土交通省が199台の河川監視カメラの運用を停止した。監視カメラに対する不正アクセスの疑いが生じたためだ。その後、同じ事業者が設置したカメラを含め、合計337台を停止した。カメラに外部からアクセスするためのパスワードが初期状態のままであり、通信ポートのアクセス制限も未設定など、セキュリティー運用に不備があった。

 「国土交通省所管の簡易型河川監視カメラにつきまして、システムのメンテナンスを行うため、令和5年3月1日からしばらくの間、提供を停止いたします」――。

 国土交通省は2023年3月1日、同省が運営するWebサイト「川の防災情報」で、一部の河川監視カメラ画像の提供を停止すると発表した。同サイトでは国交省が設置したカメラやセンサーなどから、全国の河川の水位計のデータや河川監視カメラが撮影した画像などをリアルタイムで確認できる。

写真 国土交通省のWebサイト「川の防災情報」

写真 国土交通省のWebサイト「川の防災情報」

稼働停止中のカメラ画像が閲覧不能に(出所:国土交通省)

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 国交省が設置した河川監視カメラは全国で約1万台あるが、現在運用を停止しているのは、その半数の約5000台を占める「簡易型河川監視カメラ」のうちの337台である。簡易型河川監視カメラとは、携帯電話回線を使ってインターネット経由で10分から15分ごとにカメラで撮影した静止画を送信し、「川の防災情報」で閲覧できるようにするためのもので、国交省が仕様を策定し2020年から導入を進めてきた。

 運用停止の原因となったのは2023年1月中旬に発生した不正アクセスの疑いである。国交省近畿地方整備局(近畿地整)が設置した199台の簡易型河川監視カメラにおいて、普段にない大量の通信が確認された。これは通信事業者からの報告で明らかになった。同省は簡易型監視カメラが不正アクセスを受けた可能性が高いとして、カメラの稼働を停止した。情報の窃取など具体的な被害は確認されていない。

 国交省は全国に設置したほかの簡易型河川監視カメラも調査し、199台と同じく関西電力グループの気象工学研究所が設置作業を受託した、近畿地整以外の地方整備局などのカメラも合わせて合計337台の稼働を停止した。

 「ほかの事業者が設置した簡易型河川監視カメラは問題ないという認識」(国土交通省水管理・国土保全局河川計画課河川情報企画室の担当者)であるため、それ以外の簡易型河川監視カメラは現在も稼働している。

 なお、異常な通信が見られた199台以外で停止したカメラについては、「目立った通信の異常は確認されておらず、不正アクセスがあったのかなかったのかは何とも言えない」(同)としている。

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