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Wednesday, October 14, 2020

株式会社資生堂パーラー - 東京新聞


女優・宮﨑香蓮が老舗の企業をご紹介します!


女優・宮﨑香蓮が、インタビューから原稿の執筆まで全てを手掛ける連載コンテンツ「大人の社会科見学」。今回は、銀座8丁目に店舗を構える株式会社資生堂パーラーを取材しました。資生堂がなぜパーラーを運営しているのか、まずはこの疑問から解き明かしていきます。

化粧品と飲食店の不思議な関係


 化粧品メーカーの「資生堂」が、なぜ「資生堂パーラー」という食べ物を扱うお店を経営しているのか。化粧品と飲食店にどんな関係があるのかずっと疑問に思っていましたが、今回の取材でその謎が解けました。

 資生堂はそもそも調剤薬局としてスタートしました。1872年(明治5年)に西洋薬学を学んでいた福原有信氏が日本初となる民間の洋風調剤薬局を開業。薬局として事業を行いながら、1897年(明治30年)に高級化粧水「オイデルミン」を発売し、本格的に化粧品事業へ進出しました。

オムライスにかけるトマトソースは、テーブルでサーブしてくれます。

オムライスにかけるトマトソースは、テーブルでサーブしてくれます。

 1900年(明治33年)に、福原氏はパリ万博の視察後に立ち寄ったアメリカで「ドラッグストア」を見て衝撃を受けます。アメリカのドラッグストアは、現代のコンビニのような存在でした。福原氏が特に驚いたのは、ドラッグストアに併設された「ソーダファウンテン」です。ドラッグストアの中に、カウンター式の席を設け、お客さんに軽食やソーダを提供していたんですね。

 銀座で同じく薬局業を営み、ハイカラなものを求めていた福原氏は「日本でもやろう!」と、1902年(明治35年)に薬局の片隅に「ソーダファウンテン」を設置しました。ここで日本初のソーダ水と、当時まだ珍しかったアイスクリームの製造販売を始めます。これが「資生堂パーラー」の始まりです。パーラーをオープンするため、ソーダ水を提供する機械や食器、シロップなどすべてをアメリカから輸入したそうで、これはかなり大変なことだったと想像できます。

東京銀座資生堂ビルの支配人、井脇一禎さん。

東京銀座資生堂ビルの支配人、井脇一禎さん。

 パーラーができると、新橋の芸者さんたちの間で話題になりました。資生堂薬局の近くに踊りの稽古場があり、芸者さんたちが休憩時間や稽古の帰りにパーラーに立ち寄ったそうです。西洋風のお店に芸者さんたちが集う華やかな雰囲気から、資生堂パーラーは当時の人々の憧れの場所となりました。


受け継がれるべきは「記憶に残るもの」


 薬局の中のソーダファウンテンから始まった資生堂パーラー。開業から間もなく120年を迎える現在、11階建ての東京銀座資生堂ビルで、カフェ、レストラン、バーなどさまざまなスタイルのお店を運営しています。

 銀座8丁目にあるこのビルは、1本の大樹をイメージし、フロアごとに内装のテーマを変えています。下の階は土を思わせるナチュラルな色合い。カフェフロアは華やかな花の色、そして上の階に行くと空や宇宙をイメージしたカラーリングになっています。

 このビルには、新しい食文化であるヴィーガンを楽しめるレストランもあります。資生堂パーラーとして、本物志向は残しつつ人気ブランドとのコラボなど、若い世代にも受け入れられるメニューの開発も手掛けています。食品ロスを減らすためメニューの量と価格の改定も進めていく予定だそうです。

付け合わせも見事な、オムライス2,600円(+サービス料10%)。

付け合わせも見事な、オムライス2,600円(+サービス料10%)。

 今回、資生堂パーラーのレストランを代表するメニューのひとつ「オムライス」をいただきました。ライスを包む卵は、つやつやで滑らかな表現に仕上げられています。化粧品を扱う企業だから「きめ細やかな肌」もイメージして作っているそうです。

 卵の上にサーブされるトマトソースは、創業時と同じレシピで作られています。「ミートクロケット」や「チキンライス」などの定番メニューも、ずっと同じ作り方だとか。約120年の歴史があり、4世代に渡り資生堂パーラーに通うお客様もいます。だからこそお客様の「記憶に残っているもの」は極力変えない方針なのだそうです。支配人の井脇一禎さんは、味だけではなく、接客態度やコミュニケーション、お店の雰囲気といったすべてを含む「場」として、資生堂パーラーの記憶を受け継いでもらえるように努めているとおっしゃっていました。

 お客様それぞれの人生と深く結びついた「場」である資生堂パーラー。この記憶をお客様のために大切にしていることが、資生堂パーラーが世代を越えて愛されている秘訣なのかなと思いました。

取材後記
実は昔、資生堂パーラーにパフェを食べに行ったことがあるんです。この時のことは、味はもちろん特別な1日を体験したなぁと記憶に残っています。今回お話を伺った支配人の井脇さん、ふだんは1階の入口に立たれているそう。その理由は「接客はファーストタッチとお見送りが一番重要」だから。確かに取材の日も井脇さんにお出迎え頂いたのですが、とても印象が柔らかく、ご挨拶をしてすぐ、おもてなしいただいいている感じを覚えました。資生堂パーラーさんは、オムライスもパフェも絶品です!みなさんもぜひ「体験」しに行ってみてください。私もまた行きたいなぁ。今回、取材にご対応くださった支配人の井脇一禎さん、マーケティング本部の徳丸順子さん、お忙しい中ありがとうございました!
DATA 資生堂パーラー 銀座本店レストラン

今回、オムライスを頂いたのは、銀座本店レストラン。5Fには1928年(昭和3年)から装飾に使われていたステンドガラスのある個室もあり。

住所: 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル4・5F
電話: 03-5537-6241
営業時間: 11:30~21:30 (L.O.20:30)
定休日: 月曜日(祝日は営業)、年末年始
※1Fは洋菓子などを販売するショップ、3Fはサロン・ド・カフェになっている


PROFILE
宮﨑香蓮(みやざき かれん)
1993年11月20日生まれ。2006年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」演技部門賞を受賞し、女優として活動中。NHK 大河ドラマ『花燃ゆ』ではヒロインの幼馴染・入江すみ役として出演する など、いま活躍を期待される若手女優の代表格。
■テレビ朝日「遺留捜査」レギュラー 滝沢綾子役
■「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2020」ジャパン部門ノミネート作品「BENTHOS」主演
■東京2020オリンピック聖火リレー 聖火ランナー

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October 15, 2020 at 08:03AM
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