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Thursday, April 29, 2021

【ホームズ】高断熱なのに寒いケースはある? 高気密・高断熱住宅のメリットと注意点 | 住まいのお役立ち情報 - LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)

高気密・高断熱の住宅は、外気を遮断して、どんなシーズンでも快適な室内環境を保てるのが魅力です。

しかし、そんな高気密・高断熱住宅でも、住んでいて寒いと感じられるケースがあります。それは、なぜでしょうか?

今回は高気密・高断熱住宅の仕組みを紹介したうえで、室温が下がってしまう原因について詳しく見ていきましょう。

快適な家

高気密住宅とは、精度の高い部材などを組み合わせ、できるだけ隙間をつくらないように建てられた住宅のことです。室内の気密性が高まることで、外気の影響を受けにくくなり、冷暖房の効率も向上する効果があります。

また、高断熱住宅とは、外壁と内壁、天井などに断熱材を入れて、外気を遮断するようにつくられた住宅のことです。断熱性を高めるためには、気密性にも目を向ける必要があるため、自然と2つの特徴が両立するケースが多いといえます。

ここではまず、高気密・高断熱住宅のメリット・デメリットについて見ておきましょう。

大きなメリットとして挙げられるのは「夏は涼しく、冬は暖かい」といった快適性です。外気の侵入を防ぐとともに、室内の空気が流出するのも抑えられるため、室温を一定に保ちやすいのです。

また、ほかにも「ヒートショックの予防」「省エネ効果」など、室温が安定することによるメリットにはさまざまなものがあります。

メリットの裏返しではあるものの、主なデメリットとしては、「結露ができやすい」「ハウスダストがたまりやすい」といったものが挙げられます。高気密であるがゆえに、住宅の間取りによっては、カビやダニなどが発生しやすくなる面もあるのです。

デメリットの対策として共通しているのはこまめな換気と掃除であり、定期的に室内の空気を入れ替えることが大切となります。

寒い家

外気を遮断できるはずの高気密・高断熱住宅で寒く感じられてしまうのには、大きく分けて3つのケースが考えられます。ここでは、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

高断熱が実現されていても、施工次第では、建物に隙間ができているなど、気密性が保たれていないことで寒くなるケースがあります。

石こうボード同士や壁と窓サッシの間などに隙間があれば、そこから空気が出入りして、室温を下げてしまうのです。

断熱材同士に隙間ができていたり、部分的にしか使用されていなかったりする場合には、外気が入り込んで寒くなってしまうことがあります。

断熱性を高めるうえでは、壁だけでなく床や天井も含めた家全体を覆うように施工しなければならないため、十分な量の断熱材を隙間なく設置することが大切なのです。

室内が寒く感じられるもっとも大きな原因として挙げられるのは、窓の断熱性が不十分であるというものです。本来、ガラスは断熱性の低い素材であるため、窓から冷たい空気が入り込んでしまうケースは少なくありません。

室内に比べて、トイレやお風呂などが寒くなりやすく、それによりヒートショック(気温の急激な変化が原因で血圧が急激に変動し、これにより心筋梗塞や大動脈解離といった命にかかわる病を引き起こす健康障害)を引き起こす可能性も。

そのため、複層ガラスやトリプルガラスに変えて、窓の断熱性を高める工夫を凝らすことも大切です。

サッシの断熱性も意外と見落としがちなポイントです。また、窓とサッシの間に隙間があれば、そこから冷気が入り込んでしまうため、必要に応じて市販の隙間テープなどで埋めるといいでしょう。

施工会社を選ぶ

断熱材の設置に関する問題は、施工を担当する会社の力量によって左右されてしまうものでもあります。そのため、高気密・高断熱住宅では特に施工会社選びを慎重に行う必要があるのです。

ここでは、信頼できる会社を見極めるポイントを3つに分けて見ていきましょう。

ハウスメーカーや工務店は、それぞれ得意とする分野が異なっています。そのため、まずは高気密・高断熱住宅の施工実績が豊富な会社を見極めることが大切です。

豊富なノウハウを持つ会社であれば、メリットとともに注意点もていねいに教えてくれます。客観的なデータに基づいてアドバイスをくれる会社であれば、依頼する側も安心して施工を任せることができるでしょう。

もし、施工会社選びで迷ったり、よく分からなかったりする場合はLIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」を活用してみるのもいいでしょう。「住まいの窓口」とは、家探し・家づくりの無料相談窓口です。

ハウジングアドバイザーが理想の条件をヒアリングし、設定予算内で理想をかなえるために最適な施工会社を紹介しています。1社だけでなく、複数社紹介することも可能なので、一度相談してみるのもひとつの手です。

住宅の断熱性は具体的な数値として測定することができます。たとえば、「Q値」は住宅の「熱損失係数」を示す数字であり、1平米当たりで失われる熱量を表すものです。

つまり、この数値が小さければ小さいほど、断熱性が高いと判断できるのです。また、「ηAC(イータエーシー)値」は遮熱性、「C値」は気密性を示しており、同じく数値が小さいほど性能が高いと判定できます。

工務店やハウスメーカーのなかには、これらの数値を公表しているところもあるため、比較の検討材料にしましょう。

施工会社に依頼をするときには、複数の会社に見積もりを出してもらい、比較検討することが大切です。料金だけでなく、施工の詳しい内容についても目を向けておきましょう。

また、インターネットでは無料で一括査定が可能なサービスを行っているところもあります。一度条件を入力するだけで、まとめて複数の会社に見積もりを依頼できるため、一括査定サービスを利用すると便利です。

LIFULL HOME’Sでは「高気密・高断熱住宅のカタログ」を一括請求することができます。情報収集しつつ、信頼できる会社選びにぜひ活用してください。

一戸建て

高気密・高断熱住宅を検討する際には、長期優良住宅のクリアを意識してみるのもひとつです。ここでは、長期優良住宅のメリットや認定の条件について詳しく解説します。

長期優良住宅とは、長きにわたって良好な状態で使用するための措置が、その構造および設備にとられた優良な住宅のことです。

2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」では、住宅の解体などにともなう廃棄物の排出を減らして、環境への負荷を軽減することを長期優良住宅認定制度の主な目的としています。

長期優良住宅として認定されると、さまざまな金銭的メリットを受けることができます。そのうちのひとつが、「住宅ローン控除額の引き上げ」です。

一般住宅では、控除対象の限度額が4,000万円であるのに対し、認定長期優良住宅は5,000万円(※)まで引き上げられます。それにともない、通常より低金利の住宅ローンを利用できるのも大きな魅力です。

また、不動産取得税や登録免許税、固定資産税といった各種税金が軽減されるとともに、地域型住宅グリーン化事業という木造の認定長期優良住宅を建てた場合、国から1戸当たり最大で110万円の補助金が交付される可能性があるなど、ほかにも多くの経済的メリットがあります。

(※)2021年12月31日までに入居した場合(2021年4月時点)。今後、期間変更の可能性があります。最新情報については、国土交通省のホームページなどをご確認ください。

長期優良住宅に認定されるためには、以下の9つの基準を満たす必要があります。

認定基準

  • 耐震性
  • バリアフリー性
  • 可変性
  • 維持管理、更新の容易性
  • 一定以上の住戸面積の確保
  • 居住環境への配慮
  • 劣化対策
  • 維持保全計画
  • 省エネルギー性

国土交通省の「長期優良住宅(新築)認定基準の概要」では、それぞれの要件に関して、具体的な認定基準の内容が明らかにされています。たとえば、劣化対策については「床下および小屋裏に点検口を設置する」など、細かな指標が定められているのです。

また、要件のひとつでもある省エネルギー性の具体的な指標は、「断熱等性能等級4」とされています。等級4とは、新築住宅の断熱性を示す最上位の等級であるため、条件を満たすのは決して簡単ではありません。

そのため、コストをかけて高気密・高断熱住宅を建てるのであれば、その他の要件にも目を向けながら長期優良住宅の認定を検討することも大切です。

高気密、高断熱住宅を建てる

  • 高気密、高断熱住宅は外気の影響を受けにくくして、快適な室内環境を保てるのがメリット
  • 高気密、高断熱であるにもかかわらず寒いと感じられる原因には、施工上の問題や窓の断熱性の低さなどが挙げられる
  • 高い気密性と断熱性を保つためにも施工会社選びが重要
  • 施工依頼をする際には、複数の会社に見積もりを依頼し、断熱性能に関わる数値上の指標も比較しながら検討する
  • 住宅を建てる際は、長期優良住宅の認定を意識してみる

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