
わずか築8年。誰がこんな事故が起こることを予想できただろうか。今年4月、東京・八王子市のアパートで外階段が崩れ落ち、落下した住人の女性が死亡した。原因は、階段に使われていた木材の腐食だとみられている。次第に明らかになってきたアパートのずさんな施工――。その背景にいったい何があったのか。施工会社の元社員が日本テレビに重い口を開いた。
「いつか落ちるだろうな」元社員が語る実態
待ち合わせ場所の神奈川県内の喫茶店に男性が現れたのは、平日の午後だった。事故が起きたアパートを施工した則武地所(神奈川県・相模原市)の元社員A氏。則武地所で数年間働き、事故当時も在籍していたが、その後、会社の破産申請とともに解雇されたという。一通り取材意図を話すと、A氏は会社の実態を語り始めた。 「『建物が曲がってるな』、『階段の施工が雑だな』と日々感じていました。階段の踏板に乗ると曲がるほど薄かったり、溶接が不十分だったり。とにかく早く仕上げることがメインだったんで品質とかを無視した施工でした」 ずさんな施工を日常的に行っていたという則武地所。 「階段に関しては『素人がやっているような階段をかけているな』と日頃、思っていました。ところどころしか溶接をしないんで、ひどいなと。作業をしているのがプロではなくて、業者を呼ばないで、社員がなんでもやる。見よう見まねでやっていた感じでしたね」 A氏の口から語られたのは、建築会社としてのプロ意識のない会社の体質だった。A氏はさらに続けた。 「アパートの通路の勾配がかなり急であったり、前に建てた物件は水が入って床がたわんでいたり、というのはありましたね」 「古い物件に補修に行った時には、階段がさびていたり、防水加工がされていなかったり…いつか落ちるんだろうな、いずれ大事故になるだろうなと」 しかし、そうした異変があっても会社側に改善をしようという姿勢は見られなかった。こうした体質を如実に示す場面があったという。それは上司と階段を設置する工事での会話だった。アパートの階段が明らかに曲がっていたため、「大丈夫ですか?」と上司に聞いたA氏。すると返ってきたのは耳を疑うような言葉だった。 「引き渡せれば、こっちとしては関係ない」。 今回なぜ取材に応じたのか。A氏は絞り出すようにこう話す。 「事故が非常にショックだった。今後、こういうことがないようにしないといけない。会社もすごくひどいなと。被害者への対応がすごくひどい人たちだなと思いました」 遺族や住人への謝罪、そして会社の被害者への対応に不信感が募ったからだという。
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