
※材料は特記以外、すべて2人分です。 ◆しょうゆの味わいが他の調味料の旨味を引き出す 「しょうゆは最高の旨味」と、小堀紀代美さん。小堀さんは和食に限らず、洋食やエスニック料理にもしょうゆを使い、味の幅の広がりを楽しんでいるという。 「しょうゆは、バルサミコ酢やクミンなど、意外な調味料とも相性抜群。ふくよかな味わいがあるので、他の調味料ともうまくなじんで、新たな旨味を引き出してくれます。たとえばカレーに加えると、短時間でグッと深みが増しますよ。香りが飛びやすいので、加熱するときは仕上げに加えるのもポイントです」(小堀紀代美さん・以下同) ◆【薄口しょうゆ×バルサミコ酢】ポークソテーのバルサミコソース バルサミコ酢でさらにコクアップ!はちみつの甘みが隠し味。 <材料>豚ロース肉(ポークソテー用)…2枚塩…小さじ1/4砂糖・レモン汁(あれば)・バター…各少量オリーブオイル…小さじ2紫キャベツ…1/6個(150g)粗びき黒こしょう…適量<A>バルサミコ酢…大さじ2はちみつ…大さじ1濃口しょうゆ…大さじ1/2<B>オリーブオイル…大さじ11/2はちみつ・レモン汁・オレンジ果汁(あれば)…各大さじ1粒マスタード…大さじ1/2オレガノ(乾燥/あれば)・塩…各少量 <作り方>【1】豚肉は両面各5~6か所ずつ筋を切る。塩と砂糖を両面に振り、レモン汁、オリーブオイルをかけて2~3回返し、全体になじませる。【2】フライパンにバターを入れて強火で熱し、【1】を入れて焼く。焼き色がついたら裏返し、さらに1~2分焼く。火を止めて2~3分置いて取り出す。【3】【2】のフライパンに<A>を入れ、弱めの中火で軽くとろみがつくまで煮る。【4】紫キャベツはひと口大にちぎり、塩小さじ1/4(分量外)を振って軽くもみ、5分置く。ペーパーで水気を拭き、<B>で和える。【5】器に【2】を盛り、【3】をかけ、粗びき黒こしょうを振る。【4】を添える。 <アレンジ>フルーツにかけてもおいしい! 果物にしょうゆ×オイルもおすすめと小堀さん。パイナップルにしょうゆ、オリーブオイルをかけ、唐辛子を少量振るだけで、おしゃれな前菜に。「キウイ、いちじく、梨も◎。柿はしょうゆとごま油をかけると最高なんです」。 ◆【濃口しょうゆ×クミンシード】クミンのきんぴら いつものきんぴらがピリ辛エスニックに。 <材料>(作りやすい分量)ごぼう…1/2本にんじん…小1本ごま油…大さじ1 1/2赤唐辛子…1本クミンシード・濃口しょうゆ・みりん…各大さじ1塩…ひとつまみきび砂糖…小さじ1 1/2 <作り方>【1】ごぼうは包丁の背で皮を削ぐ。ごぼうとにんじんはやや太めの千切りにし、水にさらしてざるにあげる。【2】鍋にごま油、種を除いた赤唐辛子、クミンシードを入れ、弱めの中火にかける。泡が立ってきたら、ごぼうとにんじんを加えてさっと炒める。塩を振り、中火で炒める。【3】全体に油が回ったら、砂糖を加えて1~2分炒め、しょうゆ、みりんを加えて炒める。 ◆【濃口しょうゆ×カレー粉】えびとトマトのスパイシーサラダ 中華麺やパスタと和えてもGood! <材料>トマト…1~2個きゅうり…1本えび…15尾ミント・粗びき黒こしょう…各適量<A>ごま油…大さじ1 1/2濃口しょうゆ・カレー粉…各小さじ2砂糖…小さじ1酢…小さじ1/2塩…ひとつまみ <作り方>【1】トマトはくし形切りに、きゅうりは3~4か所縞目にむき、縦半分に切ってからひと口大の乱切りにする。【2】えびはあればレモンの皮少量(分量外)を加えた湯でゆで、水気を切る。【3】ボウルに<A>を入れて混ぜ、【1】、【2】を加えて和える。仕上げにミントを加え、粗びき黒こしょうを振る。 ◆【薄口しょうゆ×レモン】かぼちゃのレモン煮 レモンの酸味でかぼちゃの甘みがさわやかに。 <材料>かぼちゃ…1/5個(300g)<A>水…1カップグラニュー糖…大さじ3薄口しょうゆ…小さじ2レモン(輪切り)…3枚 <作り方>【1】かぼちゃは種とわたを取り除き、皮を所々削いで、ひと口大に切る。【2】鍋に重ならないよう【1】を入れ、<A>を加えて強めの中火で煮る。沸騰したら落としぶたをして弱めの中火で8~10分煮る。【3】かぼちゃに火が通ったら鍋を回して煮汁を全体に絡め、火を止めてそのまま冷ます。 ◆【薄口しょうゆ×辛子】れんこんの辛子しょうゆ煮 辛子が粋なアクセント。白菜で作ってもおいしい! <材料>れんこん…250gすだちの皮(すりおろし)…適量<A>だし…1カップ薄口しょうゆ…大さじ1米酢…大さじ1/2練り辛子…小さじ1 <作り方>【1】れんこんは3~4mm幅の輪切りにする。酢少量(分量外)を加えた湯で2~3分ゆで、さっと洗い水気を切る。【2】鍋にAと【1】を加え、弱火で10分ほど煮る。【3】器に盛り、すだちの皮を散らす。 ◆【薄口しょうゆ×わさび】ささ身とブロッコリーのわさびドレッシング ピリッと辛いドレッシングがたっぷり染みた大人のサラダ。 <材料>鶏ささ身…1本ブロッコリー…1個<A>米酢・ごま油・わさび(すりおろし)…各大さじ1薄口しょうゆ・きび砂糖…各小さじ1 <作り方>【1】ささ身は筋を取ってゆで、火を止めて鍋の中で冷まし、食べやすく手で裂く。【2】ブロッコリーは小房に分けてゆで、ざるにあげ、ペーパーで水気を拭き取る。【3】ボウルに<A>を入れてよく混ぜ、【1】、【2】を加えて和える。 ◆濃口と薄口の使い分けで、定番のひじき煮もまったく違う味に! いつもの定番料理も、しょうゆの種類を使い分ければ味わいに変化がでます。気分に合わせて作って、食べ比べてみて。 【濃口しょうゆ】ひじきと豚肉の炒め煮 パパッと炒めて完成。ご飯のお供に! <材料>(つくりやすい分量)ひじき(乾燥)…20g豚バラ薄切り肉…100gパプリカ(赤・黄)… 各1/4個ごま油…大さじ1塩…ひとつまみ粗びき黒こしょう…少量<A>濃口しょうゆ・酒…各大さじ2砂糖…大さじ1 <作り方>【1】ひじきはたっぷりの水で戻し、水を2~3回変えながら洗い、湯をかけて水気を切る。【2】豚肉は2cm幅に切る。パプリカは種を除き、縦4等分に切ってから斜め薄切りにする。【3】フライパンにごま油を熱し、強めの中火で豚肉を炒める。豚肉の色が変わったら、塩、粗びき黒こしょうを振り、【1】を加えて炒める。【4】パプリカと<A>を加え、汁気がほぼなくなるまで炒める。 【薄口しょうゆ】ひじきの五目煮 旨味たっぷりの煮汁まで味わって。 <材料>(作りやすい分量)ひじき(乾燥)…15g鶏もも肉…100gしいたけ…2枚にんじん…1/3本こんにゃく・大豆(水煮)…各50gだし…3カップ薄口しょうゆ…大さじ1 1/2みりん…小さじ1~1 1/2 <作り方>【1】ひじきはたっぷりの水で戻し、水を2~3回変えながら洗い、水気を切る。【2】鶏肉は小さく切る。しいたけとにんじんは1cmの角切りに、こんにゃくは小さくちぎる。【3】【1】、【2】、大豆を湯通ししてから鍋に入れ、だしを加えて火にかける。沸騰したらアクを取り、少しずらしてふたをして、弱火で40分ほど煮る。途中アクが出れば取る。【4】薄口しょうゆ、みりんを加え、煮汁がひたひたになるまで30分ほど煮る。 ◆小堀さんの愛用しょうゆ <濃口>丸中醤油 丸中醸造醤油「我が家のメインはこのしょうゆ。コク、風味、旨味が強く、味が濃厚でもう手放せません」(小堀さん)720ml 1555円/丸中醤油 電話:0749-37-2719 <薄口>ミツル醤油醸造元 生成り うすくち 2019「キレがあるすっきりした味わいで、素材やだしの味をしっかり引き立ててくれます」(小堀さん)300ml 972円/ミツル醤油醸造元 電話:092-325-0026 教えてくれた人 料理家 小堀紀代美さん 料理教室『LIKE LIKE KITCHEN 』 主宰。抜群のセンスと探究心でレシピを追究する。著書に『ライクライクキッチンの毎日和食』(エイ出版社)など。 撮影/竹内章雄 ※女性セブン2021年9月9日号
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