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Thursday, April 14, 2022

データで本場「讃岐の味」再現 大和製作所・店舗用うどん製麺機「真打」 - ITmedia NEWS

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 古い体質の業界で最後発。1台1台売り歩く地道な手法ながら業界トップに。香川県で製麺機を生産・販売する大和製作所(宇多津町)だ。

 起業は1975年。川崎重工の設計技師だった藤井薫社長は、機械の設計を夢見て独立した。当時、オイルショックをきっかけに深刻な不況の最中、すぐに立ち行かなくなった。たちまち困窮し、設計であればなんでも請け負う中、東京でうどん店を展開する会社から、製麺機の開発依頼があった。「東京のように家賃の高い場所で使える」「コンパクトで職人不要」、本場讃岐の手打ちに負けない品質のうどんができる」――という条件だった。

 「仕事がなかったので、讃岐うどんの土地柄、地の利があると判断し、開発にのめり込んだ」と、藤井社長は振り返る。

 どうすれば手打に負けないおいしいうどんができるのか。作り方を徹底的に分析した。材料の小麦は、品種によって含水率が異なる。品種に合わせた配合やその日の気温、湿度、それに応じた水の割合や混ぜる時間など徹底的に数値化した。

 「料理はサイエンス」という。誰がどこで機械を使っても質を保てるよう、うどんの食感や味をデータ化した。

 「当時、製麺機メーカーが幾つも地元にあり、そのメカニズムのまねをしたくなかった」と、徹底的にオリジナルのメカニズムにこだわった。

 ある日、「お客さまが求めているものは製麺機ではなく、厳しい労働からの解放であり、おいしいうどんが簡単かつ安定してできること、そして繁盛だ」と気がついた。客が心から求めるもの、インサイトの発見である。

 80年、店舗用うどん製麺機「真打」発売。ミキサー(小麦粉と水の練り)、プレス(生地の鍛え)、ロール(生地の伸ばし)、カッター(製麺仕上げ)まで一体化した初の製麺機だ。

photo 店舗用うどん製麺機「真打」

 うどんの手打作業はきつい。手練り、足踏み、麺棒圧延、包丁切りなど身体を壊す原因になっている。その補助を行う機械なだけに、試行錯誤を重ね、1年以上もかかった。

 素人でうどん店事業に参入して失敗し、人生を狂わせ人たちも増えた。「製麺機を販売するよりも麺専門店繁盛支援会社になることが必要だ」。そう考えて会社のミッションを「麺専門店繁盛支援会社」に変えた。

 2001年、「うどん学校」開校。卒業生は5000人を越える。22年には対面が前提だった授業をデジタルコンテンツ化する。コロナ禍を逆手に、業界唯一のデジタルスクールとして挑戦を始めた。

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