ドイツ食品工業会(BVE)は7月18日、消費者が食品を購入する際、味よりも価格を重視するとのアンケート結果を発表した。同アンケートはドイツ食品連合とBVEの委託により、7月5~7日に約5,000人を対象に実施された。「現在、食品を購入する際、最も重視するポイント」として67.4%は「価格」、44.0%は「味」と回答した(複数回答可、添付資料表1参照)。
一方、ロシアのウクライナ侵攻やそれに伴う食品価格高騰の前の2月23日から3月7日にドイツ連邦食料・農業省の委託で実施されたアンケートでは、食品を選択する基準として「おいしいもの」を挙げた人は93%に上ったが、「低価格」を挙げた割合は47%にとどまっていた(複数回答可)。すなわち、消費者が昨今の食品価格上昇を受け、わずか数カ月間のうちに購入基準を変えたといえる。
また、食品価格高騰の対策として、先に述べたBVEの調査の回答者の56.8%は「できるだけ安い商品を購入する」、33.2%は「あらかじめ作成した買い物リストにあるものしか購入しない」とした(複数回答可、添付資料表2参照)。さらに、89.4%は近い将来に食品価格がさらに上昇すると懸念していると回答した。
連邦統計局の7月13日付発表によると、6月の消費者物価指数(CPI、確定値)上昇率は前年同月比7.6%、食品とエネルギーを除くと3.2%だった。食品は12.7%、アルコール飲料・たばこは4.5%の上昇で、食品価格が急激に上昇していることが示された。日常的に消費する食品の中で特に上げ幅が大きいものは、食用油脂(43.1%)、肉・肉製品(18.9%)、乳製品・卵(15.3%)、パン・穀物製品(12.5%)、野菜(7.6%)だ。
食品価格上昇の中、消費者に低価格で食品を届けようとしている企業もある。ドイツで売り上げが最も多いスーパーマーケット(注)「エデカ」(EDEKA)は5月30日から「エデカスーパーマーケットはディスカウントスーパーでもある!」というキャンペーンをテレビやラジオ、ソーシャルメディアなどで実施。自社ブランドを含む全商品のうち約7,000品目をディスカウント価格で販売しているとアピールしている。また、動画共有アプリTikTokのインフルエンサーと協力し、4ユーロ以下で料理を作る「4ユーロチャレンジ」といった取り組みも行っている。
なお、ifo経済研究所の7月1日付発表によると、6月に実施した調査では、回答したほぼ全ての食品小売業者が食品価格のさらなる値上げを計画しているという。
(注)スーパーマーケットのカテゴリーには、リドル(Lidl)、アルディ(Aldi)、ペニー(Penny)などのディスカウントスーパーは含まない。
(ベアナデット・マイヤー)
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