[北京 24日 ロイター] - 中国が24日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)伸び率は前年比3.9%と第2・四半期の0.4%から加速し、市場予想の3.4%を上回った。
予想以上のペースで景気が回復したが、来年にかけて力強い回復を促す政府の取り組みにとって、厳格な新型コロナウイルス規制や不動産危機の悪化、世界経済後退のリスクが逆風となる。
GDP統計は18日に当初発表される予定だったが、共産党大会閉幕後に延期された。
習近平共産党総書記(国家主席)は23日、記者団に対し「中国経済の強靱性、潜在力、余裕は大きい」とし、「その強力なファンダメンタルズは変わらず、長期にわたって良好な軌道にとどまるだろう」と述べた。
前期比のGDP伸び率は3.9%で、こちらも市場予想の3.5%を上回った。第2・四半期はマイナス2.6%だった。
ロイター調査では、2022年の経済成長率は3.2%に減速し、政府目標の5.5%前後を大幅に下回る見通し。
国泰君安国際のチーフエコノミスト、周浩氏は「政策面では全体的に景気支援的な政策が続くだろう」と指摘。「われわれの見解では景気回復を後押しするためにさらなる政策の推進が必要だが、世界的に積極的な利上げが続く中で追加利下げの可能性は低い」と述べた。
<輸出は4月以来の低い伸び>
また、中国税関総署が24日発表した9月の貿易統計によると、輸出はドル建てで前年比5.7%増と、市場予想を上回った。一方、輸入は予想より小幅な0.3%増にとどまった。
輸出は4月以来の低い伸びとなった。
ロイターのアナリスト調査では輸出は4.1%増、輸入は1.0%増が見込まれていた。
8月の輸出は7.1%増、輸入は0.3%増だった。
9月の貿易収支は847億4000万ドルの黒字。市場予想は810億ドルの黒字だった。8月は793億9000万ドルの黒字。
<鉱工業生産は好調>
9月の鉱工業生産は前年同月比6.3%増加し、伸び率は前月の4.2%から加速し、ロイター調査のアナリスト予想である4.5%も上回った。
厳格な新型コロナウイルス関連規制で一時停滞した生産活動が着実な回復を続けていることが示された。
<小売売上高は低調>
9月の小売売上高は2.5%増加。8月の5.4%から伸びが鈍化し、市場予想の3.3%増も下回った。内需が依然低迷していることが浮き彫りとなった。
特にケータリング販売が1.7%減少。8月は8.4%増だった。新型コロナ規制が響いた。
1─9月の固定資産投資は前年同期比5.9%増加。予想は6.0%増、1─8月は5.8%増だった。
9月の失業率は調査ベースで5.5%と6月以来の高水準。16─24歳の失業率は17.9%だった。
<新築住宅価格は2カ月連続下落>
国家統計局が24日発表したデータに基づきロイターが算出した9月の新築住宅価格は前月比0.2%下落した。不動産部門は未完成物件の家主による住宅ローン返済拒否や開発業者の債務問題、新型コロナウイルス規制による景気見通し悪化など多くの課題に直面している。
1─9月の不動産投資は前年比8.0%減と、1─8月の7.4%減から悪化した。
1─9月の不動産販売(床面積ベース)は前年比22.2%減。1─8月は23.0%減だった。
1─9月の新規着工(床面積ベース)は38%減。1─8月は37.2%減だった。
INGの中国担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏は「新型コロナ規制は感染者数に応じて以前より柔軟に運用されているが、不動産危機を背景にロックダウン(都市封鎖)は依然として大きな不透明要因となっている」と指摘。「こうした不透明感があるため、刺激策の効果が減殺される」と述べた。
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