今回は、人気連載「昼スナックママに人生相談」を飛び出しての記事展開。赤坂の雑居ビルの一角にある桃源郷のような「昼スナックひきだし」の紫乃ママの元に50代で大手企業を退社した美佐さん(仮名)がご来店。人一倍、愛社精神を持ちながら退社を決意した理由は……経験マニアの紫乃ママが嫉妬する「過酷な会社員人生」を振り返りながら、グラス片手に特濃スナックトークが始まります。
大好きな会社が変わっていくのを目の当たりにして
紫乃ママ 美佐さん、お久しぶり。会社を辞めたって聞いてすごく驚いた。
美佐 ご報告が遅くなってすみません。昨年秋に退社して、今はある社団法人で働いています。
紫乃ママ もうかれこれ15年以上のお付き合いですよね? 会社員時代はずっと走り続けている感じで、このまま定年まで走り切るんだろうなあって勝手に思っていたから本当にびっくり。ちょっとは楽になった?
美佐 少し楽になった気がします。退社日のギリギリまで働いていましたけど。
紫乃ママ 有休消化もしてないの? 真面目過ぎない? でも「らしい」わね。
美佐 次の仕事が決まったのが急だったんです。10年以上前に社会人大学院へ通っていたんですが、その時の同級生がまず「週に1回、副業でどう?」と声をかけてくれて。大学院修了後も月に1回くらいは勉強会を続けていて「いい仕事があったら声をかけてね」とはずっと言っていたんです。とりあえず履歴書を提出したら、思いのほかキャリアが評価されてとんとん拍子に進み、フルタイムで働くことに。決まってすぐに会社に辞めると伝えました。
紫乃ママ なんと! そうだったんですね。まあ今の転職先につながるテーマのプロボノもずっとされていましたもんね。それにしても、よくすんなり会社を辞められましたね。
美佐 仕事的にもちょうどいいタイミングだったんです。私が立ち上げたサステナブル系の新規事業が軌道に乗って、後継者もできて。転職の誘いが1年前だったら、辞められなかったと思うんですけど。
もう一つ、ここ数年の会社の激動ぶりにうんざりしていたんです。組織体制や雇用体系がガラリと変わり、急速に外資のようになったというか。経営判断として仕方ないとは思うのですが、やり方があまりにも強引で社員のマインドは全くついていけない状態。私たちのようなバブル世代をリストラしたいんだな、というのも何となく伝わってきて。愛社精神はあったので、なんだかなあと。
紫乃ママ 社会も変われば会社も変わる。彼は昔の彼ならず、か。美佐さんと同じ会社を辞めた友人が何人もいるけど、会社を辞める話をしたらOB、OGから一斉に「なんであんないい会社を辞めるんだ? 訳が分からない」って言われるって聞いた。会社の変化を知らない世代の人たちは「あんな素晴らしい会社を辞めるなんて」って思うんだろうね。
からの記事と詳細 ( 大手企業を50代で退社「辞めた会社」は「昔の彼氏」と同じで…:日経xwoman - 日本経済新聞 )
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