保険業界でコスト削減のため、定型業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用が進んでいる。新型コロナウイルスの影響で一時的に導入を見送る企業もありそうだが、中長期では利用する保険会社が増えるのは間違いない。世界の大手保険会社を顧客に抱えるRPAスタートアップ5社を紹介する。
保険会社は売上高の伸び悩みや収益に悪影響を与える低金利など、多くの経営圧迫要因に直面している。こうした状況で会社を存続するには、コスト構造を速やかに見直さなくてはならない。
そこで役に立つのが、定型業務を自動化し、コストを削減してくれるRPAだ。仕分けやデータ入力、データの確認、書類の回覧などのプロセスは往々にして、多くの人員が必要な紙ベースの作業に基づいている。保険会社はRPAを使って保険金請求や引き受け、販売、サービス分野のタスクを自動化することで、コストを削減できる。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、企業が一部の業務の優先度を下げている関係で、試練に直面しているRPA企業もある。だが長期的には、RPAスタートアップは既存企業の業務プロセスを改善できる商機がある。
CBインサイツの業界アナリスト予想によると、2023年にはRPA市場の規模は160億ドルに膨らむ。企業は足元の先行き不透明な環境でさらなるコスト削減や人的ミスの防止、効率化に目を向けるため、RPAへの関心は一段と高まる可能性がある。
「RPA」の勢いが続いている
(ニュースでの「ロボティック・プロセス・オートメーション」「RPA」の言及回数)
今回のリポートではCBインサイツのプラットフォームに基づき、RPAを使って保険の業務プロセスの自動化を手がけるスタートアップ企業5社を割り出した。
各社は保険業界での経験、資金調達額、投資家の質、そしてCBインサイツの独自スコアに基づいて選出した。いずれも19年4月以降にエクイティファイナンス(新株発行を伴う資金調達)を実施している。20年5月12日時点での累積調達額の多い順に掲載する。
1、米ユーアイパス(UiPath)
▽累積調達額(公表ベース、以下同):10億ドル
▽主な投資家:米アクセル、米セコイア・キャピタル、米キャピタルG
ユーアイパスは人工知能(AI)を使って自動化により業務プロセスを改善できる分野を見定め、組織全体に展開する自動化システムを構築する。同社は27カ国・地域で事業を展開しており、個人・法人向けの損害保険や生命保険、年金保険などあらゆる主要保険分野を顧客に抱えている。保険金請求の処理、自動車の査定、コールセンターの自動化、中核業務の統合などを自動化する。主な顧客は米ステート・オート・インシュアランス・カンパニーだ。
ユーアイパスは19年4月のシリーズDで5億6800万ドルを調達した。一方、19年10月には人員削減を実施するなど、このところは試練に直面している。
2、米オートメーション・エニウェア(Automation Anywhere)
▽累積調達額:8億4000万ドル
▽主な投資家:米ニュー・エンタープライズ・アソシエイツ、米ゴールドマン・サックス、ソフトバンクグループ
オートメーション・エニウェアは金融サービスや製造業、人事業務などにすばやく展開できるボットを提供する法人向けRPAスタートアップだ。保険業界向けのRPAでは買掛/売掛勘定、契約管理、団体保険業務、資産管理プロセスを自動化する。主な顧客は第一生命保険だ。
オートメーションは19年11月のシリーズBで2億9000万ドルを調達したが、新型コロナの感染拡大を受けて人員削減を余儀なくされている。
3、来也科技(Laiye、中国)
▽累積調達額:8100万ドル
▽主な投資家:米ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ、セコイア・キャピタル・チャイナ(中国)、米マイクロソフト
来也科技には「UiBot」と「吾来」の2つのRPA製品がある。UiBotは書類の処理やリポート作成などのタスクを自動化するために使われる。吾来は法人顧客による消費者向けチャットボットの構築と管理を支援する。
来也は個人向け事業と法人向け事業両方の解決策を提供する。主な顧客は中国保険大手の中国太平保険や衆安保険だ。起債、引き受け、保険金支払いの確認、外部データの標準化、保険の解約などの業務に対応できる。
来也は20年2月のシリーズCで4200万ドルを調達した。
4、クリオン(Kryon、イスラエル)
▽累積調達額:7300万ドル
▽主な投資家:米アキライン・キャピタル・パートナーズ、米オークHC/FTパートナーズ
クリオンはRPAとワークフロー管理を結び付けている。保険金請求の処理、規制順守の追跡、基幹業務システムとの統合、そして支払いの照合を支援し、損害保険(個人向けと法人向けの両方)、生命保険、年金保険、介護保険の業務に対応する。
保険会社の主な顧客は独アリアンツ、米AIG、米LTCG、東京海上日動火災保険などだ。クリオンのソリューションは米国、ドイツ、オランダ、英国、イスラエル、シンガポール、インド、ロシアなど様々な国・地域で販売されている。同社はイスラエルの基幹業務ソフト開発、サピエンスと保険業務で提携している。
20年4月に実施した直近の資金調達では1500万ドルを調達した。
5、米ロームビー(Roambee)
▽累積調達額:2380万ドル
▽主な投資家:米インテュイティブ・ベンチャー・パートナーズ、テルコムセル(インドネシア)、ジェブセン・キャピタル(香港)、アンカー・グループ(スイス)、米コムクラフト
ロームビーは新しい保険商品の開発にRPAを活用している。同社はIoTデータの収集とRPAにより、輸送中の貨物を追跡する。RPAロボットはセンサーで収集した膨大なデータを利用ベースの保険プランの取引システムに転送する。同社はセンサーを活用した保険商品の開発で独大手保険会社と提携している。
ロームビーは20年1月、シリーズBで1520万ドルを調達した。インテュイティブ・ベンチャー・パートナーズ、テルコムセル、ジェブセン・キャピタル、アンカー・グループが参加した。
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June 01, 2020
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世界の保険会社が頼る RPAスタートアップ5社 - 日本経済新聞
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