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Wednesday, July 27, 2022

シェフの味をどこまで再現できるのか?話題の美食ミールキットを食べ比べ|@DIME アットダイム - @DIME

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

湯煎だけから本格調理まで、個性あふれる美食系ミールキットが続々登場

必要な材料がセットになって届くミールキットは、時短調理ができることから共働き家庭で人気があり、宅配型サービスだけでなく、ネットスーパーでも取り扱っています。さらにコロナ禍以降、おうち時間の増加でより本格的な味わいを楽しみたいというニーズが生まれ、名店の味やシェフコラボなど、個性あふれるグルメ系ミールキットが続々と登場しています。

今回は5つの美食ミールキットを取り寄せて、パッケージ、調理の難易度、味、量、価格などさまざまな角度からジャッジしてみました。

〇ぐるなび Premium Meal Kit 「食伯楽 菰田 欣也シェフ監修 花椒香る本格麻婆豆腐ミールキット」(2人前・1980円)

ぐるなびのお取り寄せサイト「ぐるすぐり」にて、今年1月からスタートしたのが名店の味を家庭で再現できる「ぐるなびPremium Meal Kit」。「TACUBO 田窪氏監修 チョップドハンバーグのディナーセット」、「とんかつ成蔵 三谷氏監修 とんかつミールキット」、「銀座しのはら 篠原氏監修 西京焼きのミールキット」、「金色不如帰 山本氏監修 本格ラーメンミールキット」など、錚々たる名店の味がミールキットとして登場。お店の味を忠実に再現するので、調理の手間や時間を必要としますが、家庭でお店の味が楽しめると好評を博しています。

現在も続々とラインナップが増えており、今回は6月に登場したばかりの、調理時間11分と料理に不慣れな人でも挑戦しやすい「花椒香る本格麻婆豆腐ミールキット」を取り寄せました。“超一流料理人”として知られる中国料理「4000 Chinese Restaurant」のシェフ・菰田欣也さんが監修した、本格的な麻婆豆腐のミールキットです。

木綿豆腐を切ってひき肉を炒めるなど、フライパンを使った調理は必要ですが、味のもとになる「KMD麻婆ベース」「KMD麻辣油粉」を和えるだけなので、細かい味付けは不要。簡単に菰田シェフの味が再現できます。

【AJジャッジ】「KMD麻婆ベース」「KMD麻辣油粉」で生み出す本格麻婆豆腐に感動

パッケージ ★★☆

冷蔵便で届けられた専用ボックスには、木綿豆腐、牛ひき肉、KMD麻婆ベース、KMD麻辣油粉、花椒が同梱。とろみをつける片栗粉や、サラダ油は家で用意しておきます。菰田シェフのメッセージカードも入っており、調理が楽しみになります。

調理難度 ★★☆

作り方の動画が用意されており、調理の前に視聴することを推奨しています。動画を見て全体の手順を把握して、同梱されている作り方を見ながら調理開始。

豆腐を切ってからお湯で温めるという下ごしらえはプロの技なのだなと感心しながら、さくさくと調理は進みます。牛ひき肉を塩コショウして炒めてからKMD麻婆ベースを入れ、さらに温めた豆腐を入れて、火を止めて用意していた水溶き片栗粉でとろみをつけます。最後にKMD麻辣油粉を入れ沸騰させて完成です。好みで花椒をふりかけます。

肉を炒めて、豆腐を入れてKMD麻婆ベース、KMD麻辣油粉を和える工程だけなので、調理としてはとても簡単。ただ、片栗粉はダマになりやすいので注意。全体に回し入れるのがコツです。筆者の場合、豆腐がつぶれないようあまりかき回さなかったので、少しダマになってしまった部分もあり反省です…。

味わい ★★★

夕食のメニューとして出しましたが、「花椒の香りがすごい!」「店で食べるのと同じ味。これで1980円って安くない?」と家族にも大好評!2人前ですが3人で分けても(下記画像)、メインのおかずとしてちょうど良い量でした。

見た目ではとても辛そうですが、花椒をはじめとしたスパイスは香りは立っていますが予想以上に辛くなく、豆板醤、豆鼓といった中華ならではの深い味わいがありました。商品名の「花椒香る本格麻婆豆腐」、一言で表すとまさにこれです!本格中華の味を生み出す菰田シェフの名を冠した「KMD麻婆ベース」「KMD麻辣油粉」の威力をひしひしと感じました。

〇TastyTable mealkit 「仔羊背肉ロースト ペルシヤード&トマトファルシー」(2人前・6800円)

プロの味を週末にゆっくりと楽しむことができる「TastyTable mealkit」。イタリアン「イル プレージョ」の岩坪滋シェフ、フレンチ「シック プッテートル」の村島輝樹シェフ、和食「幸せ三昧」の中山幸三シェフ、中華「レンゲ:Renge equriosity」の西岡英俊シェフ、イタリアン「草片 cusavilla」の中東俊文シェフ、フレンチ「コントワール ミサゴ」の土切祥正シェフと、第一線で活躍する有名レストランのオーナーシェフや料理家が、TastyTable mealkit専用に書き下ろしたレシピによる料理上級者向けのミールキットです。

毎週公開されるメニューの中から好きなものを選ぶことができ、ひとつのキットでメインディッシュとサイドディッシュがセットになっています。調理には時間がかかりますが、プロのテクニックを学ぶこともでき、料理教室のような感覚で作れるので、いつもの料理よりもワンランク上のものを作りたい!という人にもぴったりです。

今回は該当週のメニューにあった「コントワール ミサゴ」土切シェフ監修の「仔羊背肉ロースト ペルシヤード&トマトファルシー」を取り寄せました。筆者はラムチョップ専門店に足しげく通うほど、ラム肉が大好きなので、張り切って挑戦しました。

調理時間の目安は仔羊のローストが50分、トマトファルシーが15分。プロの味を再現するにはやはり時間がかかるので、余裕のある週末向けの料理です。

仔羊肉のローストは肉を常温に戻すところからスタートし、フライパンで焼いてからペルシヤードをまぶしてオーブンで焼き上げます。盛り付けの際に、本来は半分にカットして赤みのある断面を見せるのですが、骨があたってカットできず肉が崩壊しそうになり(笑)、そのまま盛り付けたためワイルドな見た目になっています。まだ技術が足りないと痛感しました……。

トマトファルシーは中をくり抜いたトマトに、材料を和えたトマトファルシーを詰めるだけですが、トマトは皮を湯むきして器にするため、くり抜く作業が思った以上に難しかったです。

【AJジャッジ】味付けも含め自分ですべてを作ることから、学びを得られるミールキット

パッケージ ★★★

「美味しい料理で素敵な週末をお過ごしください。」というメッセージが入ったおしゃれなボックスで到着。肉は保冷バッグに入った冷凍状態で届きました。土曜に届いたので肉は冷蔵庫で解凍して翌日調理。メインとサイドの2種類のレシピのどちらに使うのかわかりやすいように、色分けされたシールが貼られていて細かな配慮を感じました。

調理難度 ★★★

シェフのレシピでも家庭用にアレンジされたミールキットもありますが、TastyTable mealkitは調理の過程も大切にしているため、シェフが作る手順と同じで、下準備も必要となるため、時間に余裕を持って臨みましょう。日常的に料理をしている人なら問題なく作ることができますが、料理に慣れていない人には少しハードルが高いかもしれません。

仔羊のローストでは、肉を20分ほど室温に置いて常温に戻します。その間にオーブンを200度に予熱、キットに入っているドライパセリ、パン粉、おろしにんにくと、家で用意したオリーブオイルを加えてペルシヤードを作ります。ここまでが下準備。

それから仔羊肉のロースト作業に入り、フライパンで焼き色が付くまで焼いて、火が入りにくい骨の部分はフライパン内の油をかけながら焼きます。

フライパンから出して、脂側に同梱のディジョンマスタードを塗りその上にペルシヤードをまぶします。最後に200度のオーブンで12分焼いてから取り出し4~5分休ませて、ベビーリーフと共にお皿に盛りつけて完成。オーブンがない場合はフライパンで焼く前に骨を1本ずつ切り分けてフライパン調理することも可能とのことです。

トマトファルシーは、トマトを湯むきしてからくり抜きます。種以外はくり抜いた中身も刻んで使います。湯むきの際に長くお湯に浸けるとトマトがやわらかくなってしまい、くり抜くときに崩れるので要注意です。

5mm角に切ったきゅうり、ベーコン、赤パプリカ、中身のトマトと、マヨネーズとパプリカパウダー、葉をちぎったディルを合わせ、家にある塩コショウで味付けしてトマトファルシーを作り、くり抜いたトマトに詰めてディルを飾って完成です。

味わい ★★★

仔羊肉のやわらかさ、ジューシーさがたまりません!仔羊はくさみも少なく、香草とにんにくを使ったペルシヤードでさらに食べやすくなっています。ワインと合わせてあっという間に完食してしまいました。ペルシヤードはレシピを覚えれば魚料理などにも応用できそうです。

トマトファルシーはトマトをくり抜くのは面倒なのでそこは省きますが(笑)、作り方は簡単なので、サラダとしていつもの食卓にのせたいと思いました。TastyTable mealkitはおいしいだけでなく、味付けも含め自身の手で作るので、レシピや要領を覚えていつもの食事に応用できる、学びのあるミールキットだと実感しました。

〇信州おうちGaレストラン 「ローマの名物料理2種セット」(2人前・3240円)

地元の食材を使った地方発のミールキットも多くあります。「信州おうちGaレストラン」シリーズは、コロナ禍の影響により、レストランに行きたくても行かれないという要望に応えて、レストランの料理を届けて、少しでも笑顔になってほしいという想いから生まれたミールキットです。

年2回、季節ごとに変わるメニューは、「信州産」の食材を取り入れ、長野県松本市の人気レストランの「トラットリア・ジラソーレ」、「バーデン・バーデン」、「matsumoto Mt.BARU」がプロデュースしています。

今回は「トラットリア・ジラソーレ」の「ローマの名物料理2種セット」を取り寄せました。「黒豚ロース肉を使ったサルティンボッカ」と、本場の味わいを忠実に再現した「カルボナーラソースのリガトーニ」の2品がセットになっています。

食材はあらかじめ冷蔵庫で解凍しておきます。調理作業は湯煎とパスタを茹でる作業のみ。サルティンボッカと付け合わせのマッシュポテトは袋のまま10分お湯で温めます。

私はボウルにお湯を移して温めましたが、火を止めたお湯の鍋に直接入れて温めてもOKです。お湯で温めることでお肉がやわらかく仕上がります。

マッシュポテトの上にお肉をのせるだけなので盛り付けも簡単。袋に残っている肉汁たっぷりのソースも忘れずにかけましょう。

リガトーニは1.5Lのお湯に同梱の塩を入れて2分~2分30秒茹でます。パスタソースは袋のまま45~50度のお湯で温め、茹で上がったパスタとソースをからめて、同梱のブラックペッパー、パルミジャーノソースをかけて完成です。

【AJジャッジ】温める、茹でるだけで本格的な味わい!梱包内容ですべて完結できるのも◎

パッケージ ★★★

高級感のある黒箱、金色の文字のパッケージなのでギフトにも最適。冷凍で届けられるので冷凍庫のスペースを確保しておく必要ありますが、16㎝×22㎝のA5ほどのサイズで、厚みは5.5㎝とかさばらないので箱ごとの保管も楽。冷凍ですが、保存料、化学調味料不使用なので、消費期限に注意しましょう。

ミールキットで省かれがちな塩、ブラックペッパーといった調味料や、1.5Lのお湯が必要になるため、量を測ることができるお手製の軽量袋も同梱されており、こうした気配りもうれしいところです。

調理難度 ★★☆

湯煎と茹でる作業のみで、盛り付けも簡単なため調理難度は低いですが、カルボナーラソースは温める温度が50度以上だと卵が固まってしまうため、温度を調整する作業が必要なため★2個の中程度にしました。

調理時間は2品で20~30分程度と時間はかかりませんが、湯煎やリガトーニを茹でる際に多くのお湯、そして温め用のボウルを使うので、2品を同時進行で調理する場合は、お湯と複数の鍋やボウルを準備する必要があります。

レシピ動画をYouTubeで公開しているので、事前に鑑賞、もしくは動画を見ながら作業すれば失敗なく調理できます。

味わい ★★★

黒豚ロース肉に生ハム、セージをのせて焼き、白ワイン、マルサラ酒で仕上げたサルティンボッカ。その名の通り「口の中に飛び込んでくる」ジューシーなおいしさでした!シンプルな味つけのマッシュポテトとよく合います。

カルボナーラはこってり感が苦手で普段はあまり食べないのですが、こちらは本場のレシピに従った生クリームを使わない正統派。卵とチーズの味わいを深く感じつつ、もちっとしたリガトーニにソースがさらっとからんであっという間に完食。

2品とも温めるだけでレストランの味を楽しめる「おうちGaレストラン」の名にふさわしい味わいで大満足でした。

〇北のシェフミールキット「シェフナビ ビーフシチュー」(2人前・1058円)

ホテル・旅館やレストランへの食品、食材の提供、大手菓子メーカーのOEM商品製造などを手がける北海道の食品製造企業「見方」。同社が運営するお取り寄せサイト「北のシェフ」のミールキットが「シェフナビ」です。

ホテルの黒子として食を提供している見方のシェフが作った簡単調理のミールキットで、4分でできる黒酢酢豚や八宝菜、豚の角煮やポークポトフでも9分と、特別なときだけでなく、忙しい日々の夕食としても重宝します。

今回は5分でできる「ビーフシチュー」を取り寄せました。冷凍で届いたので、24時間冷蔵庫で解凍し翌日調理。すぐに食べる場合はレンジ解凍でも可能です。鍋に材料を入れて温めるだけなので本当に5分で完成しました!

【AJジャッジ】5分で本格ビーフシチューが完成!後片付けもラクチン

パッケージ ★★☆

肉パック、野菜パック、ソースパックがひとつの袋に入っているので、そのまま冷蔵庫へ。作り方や内容の詳細については外パッケージ裏にシールが貼ってあり、余分な紙や袋がなくエコなパッケージです。

調理難度 ★☆☆

鍋に肉パックとソースを入れて3分煮てから、野菜パックを投入し弱火でさらに2分煮込みます。野菜は大きめカットで内部が冷たい可能性もあるため、解凍具合では調整しながらもう少し煮込んでもいいかもしれません。

まな板や包丁もいらず、必要なのは鍋だけ。使う食材だけがパッケージされているので、野菜の端切れも出ません。後片付けが楽なのもポイントが高いですね。夕食時のお助けミールキットとして活躍しそうです。

味わい ★★★

ビーフシチューはお肉をほろほろになるまで煮込むのが面倒ですが、ミールキットは下ごしらえ済みなので、温めるだけでやわらかなビーフが味わえます。デミグラスソースのおいしさももちろんですが、ジャガイモ、カリフラワー、にんじん、いんげんと、ゴロゴロ野菜がたっぷりなのもうれしい限り!2人前で440gなので、食欲旺盛な家族がいる家庭だと足りない可能性もあり、わが家の場合、2パック分で3人前がちょうど良いかもしれないと感じました。

〇あめつち 「Made in ピエール・エルメ監修 ブリオッシュフレンチトースト&ベリーソース」(2人前・3240円)

「食」を媒介として、生産者や料理人、様々な分野のクリエイターと共に、エシカルでクリエイディブな視点から「食」のプロジェクトを発信している「あめつち」。あめつちの人気商品が、温めるだけ、焼くだけ、味付けいらず、簡単、時短調理でプロの味を再現できるキャンプ飯ミールキットです。今回はパティスリー界の大御所、ピエール・エルメ監修の「ブリオッシュフレンチトースト」を取り寄せました。

冷凍で届いた食材をそのまま使い、ベリーソースは湯煎して、トーストはフライパンにバターを温め中火で両面を焼くだけ。10分以内に完成する時短調理です。

【AJジャッジ】朝食やティータイムに贅沢な気分を味わえる

パッケージ ★★☆

アウトドアで利用することを想定しているためエコ包装で、なるべくゴミを出さないために調理済みの食材がパッケージされています。キットの内容は冷凍のブリオッシュフレンチトースト2個と冷凍ベリーソース、バターです。賞味・消費期限は製造から冷凍で6ヶ月、解凍後2日以内。

調理難度 ★☆☆

キャンプ飯なので調理もシンプル。鍋に湯を沸かしてソースを温める、バターを入れフライパンに蓋をしてトーストを両面焼くという2工程のみなので、慌ただしい朝食時でもすぐにできるのはうれしいですね。トーストは中火で焼き色が付くまで焼きますが、焦がさないように注意しましょう。

味わい ★★★

ブリオッシュフレンチトーストは、外はこんがりと香ばしく、中はたまごがたっぷりと染み込んだふわふわとした食感でプリンのような味わい。ストロベリー、フランボワーズ、カシス、ブルーベリー、赤スグリの5種類のミックスベリーソースは果実感があり色も美しく、甘酸っぱいベリーソースとブリオッシュフレンチトーストの組み合わせは絶妙。好みで生クリームやサワークリームを添えても◎。

朝食やティータイムに贅沢な気分を味わえること間違いなし!ベリーソースは200gと多めの量なので、筆者は余ったソースをヨーグルトやパンケーキにかけて、おいしくいただきました。

文/阿部純子

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