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韓国のICT政策を担当する科学技術情報通信部(部は日本の省に当たる)は2022年12月、韓国通信大手3社のうち韓国KTと韓国LG U+(LGユープラス)の5G(第5世代移動通信システム)向け28GHz帯(ミリ波)電波割り当てを取り消した。2社が電波割り当ての際の基地局設置条件を満たせなかったからだ。韓国通信最大手の韓国SK Telecom(SKテレコム)は、ミリ波電波の割り当て取り消しこそ免れたものの、基地局展開が遅れているとして、当初5年としていた同周波数帯の利用期間を半年短縮された。
ミリ波の電波は、帯域を豊富に使えるために高速・大容量通信を実現できる。その一方で高い周波数帯であるため直進性が高く、電波が遠くまで飛ばない。ミリ波は多くの基地局を設置する必要があるため、韓国通信大手3社は展開に二の足を踏んでいる。
実際、韓国通信大手3社は、一般消費者向け5Gサービスを、電波がより飛びやすいSub6帯と呼ばれる3.5GHz帯のみで提供している。ミリ波の28GHz帯の展開は、法人向けスマートファクトリーなど特定企業の敷地内などにとどまる。
韓国通信大手3社は、ミリ波の展開が遅れている理由として、28GHz帯に対応したスマホが韓国内で販売されておらず、基地局に投資しても使う人がいないと弁明する。一方で端末メーカーの韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は、韓国通信大手3社が一般消費者向けにミリ波5Gサービスを提供しないので、スマホにミリ波機能を搭載しなかったと説明する。「鶏が先か、卵が先か」という状況に陥っている。
こうした事態から韓国では2021年、韓国通信大手3社の5Gプランに加入した利用者による集団訴訟も起きている。韓国通信大手3社はCMで、LTEよりも20倍速いミリ波の5Gを利用できるようになると宣伝したものの、実際には一般消費者向けには提供されておらず、大手3社は不当な利益を得ているという訴えだ。訴えを起こした原告は、5G契約を無効だとして、これまで支払った料金の払い戻しを求めている。
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